彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「それで!?お前ら何してたんだ!?」
キャッチャーされた円城寺君達は、伊吹陽翔さんのお墓の前で落とされた。
ギロッときついまなざしで、円城寺君達に聞く瑞希お兄ちゃん。
完全にお説教モード。
しかも、そうなっているのは、瑞希お兄ちゃんだけではなかった。
「おほほほ!素直に、はいちゃいなさーい。」
「隠し事するとためにならねぇーぞ?」
「わははははは!殴っていいか!?」
「皇助、凛道に言ったことを忘れたか?こちらから手を出すな、相手から『先』に手を出させるように動け。」
それに加え、彼らが逃げられないように、初代メンバーで円陣を組んでいるところがすごい。
〔★徹底していた★〕
(しかも、一部の人の言ってることがひどい・・・)
「うわー・・・悲惨(ひさん)。」
「カンナさん。」
思わず手を合わせそうになったところで、隣にいた女子がそう言う。
大目に見てもらえ、難を逃れた爆裂弾のヤンキーガールだった。
「悲惨(ひさん)て、カンナさん・・・・自分の仲間のピンチを、他人事みたいに言わないでよ。」
問題発言を指摘すれば、拗ねたように彼女は言った。
「いーんだよ。あいつら、逃げようと思えば逃げれたんだぜ?完全に、かまってちゃんモードだぞ。」
そう言って鼻をすする姿を見て気づく。
「もしかして・・・さっきの泣き声は、カンナさん?」
「ばっ!?誰が泣いてるだぁ!?」
「ぐえ!?」
聞いた瞬間、真っ赤になったカンナさんに胸ぐらを掴まれた。
「テメーあたしが、涙みせる女だと思うなよ!?平気でピーピー泣いてたくせによ!?」
「いや、だって・・・!目が赤いし、鼻水をすすってるから~」
「ば・・・!?アホ!別に、凛の言葉に感動して泣いたわけじゃねぇーし!お前なんか、鼻フックしたくせに!汚いんだよ!」
「あ・・・あれは、仕方なくしただけであって~・・・・ん?」
そこまで言ってハッとする。
「・・・カンナさん・・・見てたの?」
「ギク!!?」
「しかも・・・・最初から閲覧(えつらん)してた系?」
「はうううう!!」
私の問いに、わかりやすいぐらい慌てるカンナさん。