彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


「それで!?お前ら何してたんだ!?」





キャッチャーされた円城寺君達は、伊吹陽翔さんのお墓の前で落とされた。

ギロッときついまなざしで、円城寺君達に聞く瑞希お兄ちゃん。

完全にお説教モード。

しかも、そうなっているのは、瑞希お兄ちゃんだけではなかった。





「おほほほ!素直に、はいちゃいなさーい。」

「隠し事するとためにならねぇーぞ?」

「わははははは!殴っていいか!?」

「皇助、凛道に言ったことを忘れたか?こちらから手を出すな、相手から『先』に手を出させるように動け。」



それに加え、彼らが逃げられないように、初代メンバーで円陣を組んでいるところがすごい。




〔★徹底していた★〕




(しかも、一部の人の言ってることがひどい・・・)



「うわー・・・悲惨(ひさん)。」

「カンナさん。」



思わず手を合わせそうになったところで、隣にいた女子がそう言う。

大目に見てもらえ、難を逃れた爆裂弾のヤンキーガールだった。




「悲惨(ひさん)て、カンナさん・・・・自分の仲間のピンチを、他人事みたいに言わないでよ。」




問題発言を指摘すれば、拗ねたように彼女は言った。




「いーんだよ。あいつら、逃げようと思えば逃げれたんだぜ?完全に、かまってちゃんモードだぞ。」




そう言って鼻をすする姿を見て気づく。




「もしかして・・・さっきの泣き声は、カンナさん?」

「ばっ!?誰が泣いてるだぁ!?」

「ぐえ!?」




聞いた瞬間、真っ赤になったカンナさんに胸ぐらを掴まれた。




「テメーあたしが、涙みせる女だと思うなよ!?平気でピーピー泣いてたくせによ!?」

「いや、だって・・・!目が赤いし、鼻水をすすってるから~」

「ば・・・!?アホ!別に、凛の言葉に感動して泣いたわけじゃねぇーし!お前なんか、鼻フックしたくせに!汚いんだよ!」

「あ・・・あれは、仕方なくしただけであって~・・・・ん?」




そこまで言ってハッとする。




「・・・カンナさん・・・見てたの?」

「ギク!!?」

「しかも・・・・最初から閲覧(えつらん)してた系?」

「はうううう!!」




私の問いに、わかりやすいぐらい慌てるカンナさん。

< 793 / 1,276 >

この作品をシェア

pagetop