彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「・・・わかりました。」
熱烈な瑞希お兄ちゃんの・・・いえ、みなさんからのOKサインをもらい、私は表情を引き締めながら言った。
「男の子なのに、甘いのが好きということに、迷いを感じていましたが、もう大丈夫です!これからも、堂々と甘いもの好きとして胸を張っていきます!!」
「よく言った凛!男らしいぜ!他人の意見に左右されず、自分の意志を貫く決意をできるとは・・・俺が見込んだ男だぜ!」
「はぁい!!」
〔★残念ながら、凛の性別を見抜けていない★〕
「これから食べるプリンは、キャラメルソースとチョコレートソースとイチゴソースが選べるからな~」
「わーい♪瑞希お兄ちゃんのお勧めはなんですかー?」
「俺、キャラメル♪」
「じゃあ、僕もキャラメル!」
「ばか、イチゴにしとけ!今の時期だけだ。キャラメルは、俺が頼んだのを、半分やるからよ!」
「え!?半分!?」
(それって、瑞希お兄ちゃんの食べかけをもらえるの!?)
〔★食べかけはないだろう★〕
「う、嬉しいです!瑞希お兄ちゃんの(食べかけ)をもらえるなんて・・・!」
「あははは!おおげさだな~凛は?肉を食い過ぎないように、デザートスペースも開けとけよ?」
「はい♪」
(やった~!半分こしてもらえるなんて~まるで恋人同士みたい!!)
〔★現実は兄弟扱いである★〕
にやける口元を、バンダナで押さえながら階段を降りる。
スキップになる足の動きだけは、抑えられなかった。
「もう!みーちゃんてばずるいわ!凛ちゃん、モニカちゃんのチョコソースも食べて~!なんなら、口移しで開けるから!」
「やめろよ、オメー!普通にわけてやれっての!」
「まったく・・・プリン1つでガキだな。瑞希も、凛道といい勝負だ。」
「わはははは!お子ちゃまたちは甘党ってか!?腹減ったぜー!!」
「うるせぇよ、皇助!大きなお世話だよ!!それはそうと~凛!」
「はい♪なんでしょう?」
もう少しで、石段が終わるというところで、瑞希お兄ちゃんが私を呼ぶ。