彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「ごめんな、凛。知ってるもんだと思って、話を進めちまって。」
「いいえ♪お気になさらないでください。どういった内容なんですか?」
「旗揚げだよ。」
「は・・・?」
ウキウキしながら聞いた私に、ニコニコしながら瑞希お兄ちゃんは言った。
「今夜、凛の4代目デビューの旗揚げ集会をするんだ。」
「・・・・・・・・・・・・・はい?」
(・・・旗揚げ集会・・・・私の・・・・?)
意味を理解した時、叫んでいた。
「ええええええええええええ!?集会っ!!?」
「おう!龍星軍四代目総長・凛道蓮のお披露目だ♪」
「めっちゃ笑顔で、重要なことを言いましたね――――――――――!!?」
〔★確認して、よかった内容だった★〕
「ぼ、僕の、龍星軍四代目総長デビューって・・・・!?」
(いつか、くるとは思っていたけど・・・)
「急すぎませんか!?」
「ばか!逆に、するのが遅いぐれーだぞ?」
私の疑問を、素早く瑞希お兄ちゃんは否定する。
「凛の単車の練習とか、殴り込みで寄り道したからよ!」
「いや、あれは殴り込みじゃなくて、お弁当の配達です!?一緒にいたじゃないですか!?」
「まぁ、どっちでもいいじゃんか?今夜正式に総長デビューが決定だからよ!気合入れて行けよー!?」
笑顔で言う瑞希お兄ちゃんに、一部の事実をあいまいにされてしまう。
でも、問題はそこじゃない。
(決定なんだ・・・・)
総長デビューすると言うことが、決まってしまっていること。
〔★取り消しは、出来そうになかった★〕
「長かった・・・凛のヤンキーの晴れ舞台!ずっと楽しみにしてたからさ~」
「え!?楽しみ!?」
「おう!」
「つーても、前々から話してたらの話なんだけどな。」
「え?」
呆然とする私に、優しい瑞希お兄ちゃんはフォローを入れてくれた。
「今夜旗揚げするってこと、凛は今聞いたからな~・・・どうしたもんか・・・」
「瑞希お兄ちゃん!?」
(決定打とは言ったけど、そうでもなさそう・・・・?)
〔★キャンセル選択も、可能(かのう)らしい★〕