彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「ただいまー!」
「瑞希、誰もいないのに、ただいまかよ?」
「いいじゃないの~?言わないよりましじゃない。ねぇー凛ちゃん?」
「そ、そうですね。」
無邪気なお兄ちゃんに見惚れていたら声をかけられる。
伊吹陽翔さんのお墓参りを終え、昼食を外で終えて帰還した。
時刻は午後2時となっていた。
お店の裏口から、店内へ入る。
外の立て看板はclose。
今日はお店を休むらしい。
「それじゃあ、早速打合せするか~!」
「ねぇ、みんな何飲む?凛ちゃんは何が良い?」
「俺、コーラ!」
「俺、ジンジャーエールにして。」
「ウーロン茶で良い。皇助、酒はやめろよ。」
「わはははは!当然!ノンアルコールビール!」
「はいはい、いいわよ~凛ちゃんは?」
(いいんだ・・・・・・・)
アルコールではないとはいえ、ビールを頼む百鬼もだけど、それをOKするモニカちゃんもどうなんだろう・・・・
「ぼ、僕は紅茶でいいです・・・」
「じゃあ、俺が入れてやるよ。」
「瑞希お兄ちゃん!?」
そう言うと、さっさとキッチンへ入る瑞希お兄ちゃん。
これにモニカちゃんが顔をしかめる。
「ちょっとみーちゃん!あたしが凛ちゃんの分もするからいいわよ!」
「俺がするっての!バイト先の先輩が、よく眠れる紅茶ブレンド教えてくれたんだよ!今夜の主役は凛だろう?」
「えっ!?」
瑞希お兄ちゃんの言葉にドキッとする。
それに彼は、私へと視線を向けながら言う。
「そうだろう、四代目?今夜は、お前がヒーローで決まりだぞ?」
「ヒ、ヒーローって・・・・」
〔★本来はヒロインである★〕