彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「ロングではなく、ショートの特服を着せろ。それなら、長めのジャケットを上から着せてしまえば、サツ共に気づかれずに目的地に行けるだろう。」
「わはははは!なんなら、途中でジャケット脱いでいいぞ、凛助~!楽しい捕り物になるからよっ!」
「ボケ!!凛は素人だぞ!?軽々しくしてんじゃねぇーよ!」
「お前ホント、喧嘩好きだよな~」
(好きと言うか、中毒なんじゃ・・・・)
烈司さんの言葉に、どうなんだろうと思ったらヘビースモーカーのお兄さんは言う。
「用心しすぎるぐれーが、凛たんにはちょうどいいからな。単車の方は俺と皇助で調整したから、トラブル起こすことはねぇだろう。」
「あ、ありがとうございます、烈司さん、百鬼さん!」
「わはははは!もっと俺様をあがめろ!」
「静かにしろ、皇助。お前に神的な要素はない。凛道、これが今夜お前が走るルートだ。確認しろ。」
そう言って、1枚の紙を私に差し出す獅子島さん。」
「ありがとうございます・・・こんなものまで用意して頂いて・・・・」
「ふん、先代の甲斐性だ。黒い線が引いてあるのが、通常のコースだ。赤が、サツ共と遭遇した時に逃げるコース、青がほかの族と鉢合わせた時の回避コースだ。」
「すごいですね・・・」
(とっても、細かい・・・・)
性格が出ているとは思ったけど、こうやって指示を出してもらった方が助かる。
(さすが、瑞希お兄ちゃん達のブレーンね・・・)
「あれ?なんかこのコースだと、結構都心を中心に走るようですが・・・?」
「当然だ。」
私の質問に、獅子島さんは堂々と言う。
「見せびらかす意味でも、大々的に派手に走ってもらわんと困る。」
「み、みせびらか・・・!?」
「瑞希がな!」
聞き返せば、メンチを切りながらニラまれた。
「勘違いするなよ、クソガキ・・・!?四代目として目立たせてやらんと、瑞希のうるさいだけだ。俺の意志ではなく、多数決によるものだ。気を抜くなよ・・・・!?」
「は、はい、わかりました・・・・」
(そんなに怒らなくても~)
いいじゃないと思いながら、瑞希お兄ちゃんを見る。
これに瑞希お兄ちゃんは、苦笑いしながら首を振る。
他のお兄さん達も同じ顔をしてる。