彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「いろいろ問題あるが、俺らからの激励は以上だ!マジで・・・・気を抜くんじゃないぞ?」
「お兄ちゃん・・・」
「初代として、俺らがお前にできるのはここまでだ、『凛道蓮』。」
「え?」
瑞希お兄ちゃんからのフルネーム呼び。
その一言で、周りの空気が変わる。
私へと警戒をうながす瑞希お兄ちゃんの表情は、真剣そのもの。
大嵐山で、初代龍星軍総長だと名乗った時に似ていた。
「装備が重いかもしれねぇーけど、凛ならできる!向こうについたら、旗組み立てて、なびかせて走れよ!」
「わ、わかりました!頑張ります!」
「もし、無理そうなら、マントみたいにして首にくくりつけろ!それもそれで、スーパーマンみたいでカッコいいからさ!」
「いえ・・・あきらめない方向で行きます・・・」
(むしろ、そっちの方がカッコ悪い・・・・)
〔★凛は出来ると言うしかなかった★〕
「その調子だ、凛。頑張れよ?」
私の言葉を、きっといい意味に受け取ったのだと思う。
彼は一瞬だけ優しく笑うと、私の頭をナデナデしてから離す。
「初陣、楽しめよ、凛。オメーは、俺ら初代龍星軍が認めた4代目の頭だ。凛以外、4代目なんて認めねぇ。」
「瑞希お兄ちゃん。」
「わはははは!!瑞希の考えは俺らの考えだ!!暴れて来いや、総長よ!!」
「凛ちゃんは、あたしらの自慢の4代目ちゃんよん♪あとで、元気な姿で会いましょう?」
「お前が俺達の後継者であることを忘れるな、凛道。しくじりは許さんが、命をなくすことはもっと許さんぞ、4代目。」
「つーことで、凛たん。自信もって、自分がやりたいようにしておいで。今度はどんな武勇伝作るか、楽しみにしてるぞ、総長~?」
「百鬼さん、モニカちゃん、獅子島さん、烈司さん・・・」
初めてだった。
みんながそろって、私を『四代目総長』だと言ってくれたのは。
「認めて・・・くださってるんですか・・・?」
「当然だろう?」
自然とこぼれた言葉に、瑞希お兄ちゃんが答えてくれた。