彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
◆走死走愛(そうしそうあい)・快刀乱麻(かいとうらんま)!たった1人の暴走族!!
夜風を受けて走る。
目立たないように単車を運転する。
「ねぇ、なに~?あれ?」
「なんだよ、おいおい?」
空気になる覚悟で、大人しく走っていた。
それなのになぜか、周りが私を見てくる。
(やっぱり・・・・腰にポールを指してるのがおかしいかな・・・?)
考えてみれば、こっちのポールの方が武器になる。
夜の遅い時間に、腰にさして出掛けるのは変よね。
(背中の旗も、絨毯(じゅうたん)みたいだもんね~)
そんなことを考えながら、赤信号で止まった。
ブロロロ、オン!
エンジンを止めて止まった。
暴走族の総長に見えないように安全運転。
プッシュ―!
「よぉー!兄ちゃん!」
「ん?」
辺りが暗くなったと負えば、真横から声をかけられた。
見上げれば、大型トラックの運転席から知らないおじさんが私を見ていた。
(・・・・見たことない人だけど。)
「こんばんは。」
礼儀として、挨拶をする。
軽く会釈すれば、少し目を丸くしてからおじさんは言った。
「はははは!こんばんは!兄ちゃんよ、さっきから見てたけど、なにしてんだ!?」
「え?ご覧の通りです。」
「いや、見てわかんねぇーから聞いてんだよ!!」
〔★もっともな言い分だった★〕
(何って・・・・)
「バイクを・・・・運転してます。」
「そうだろうな!兄ちゃん、ちょっと抜けてるが、パフォーマンスじゃないよなー!?」
「パフォーマンス??」
(まさか!?私が旗を背負って、ポールを腰にさしてるから、大道芸の人に出も見えた!?)
やはり目立ったと思っていれば、笑いながらおじさんは言った。
「兄ちゃんがよぉ~あんまりにも、制限速度以下でノロノロ運転してるから、単車が行かれてんのかと思ったぜー!?一番近いガソリンスタンド、教えてやろうかー!?」
「えええ!?そういう意味ですか!?」
〔★凛の走り方は目立っていた★〕