彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「はっ!?それじゃあ――――――・・・・すれ違う人達みんなが、僕を見ていたのはそのせい!!?」
「ぎゃはははは!そうだろうなー?」
〔★気付くのが遅すぎた★〕
知らされた事実にショックを受けていたら、トラックのおじさんが言う。
「何してんのか知らねぇーけど、ガキが出歩いていい時間じゃないぞー?さっさと帰れよ!?」
「は、はい!すみません!」
「素直に謝るのかよ!?兄ちゃん、どこまで行くんだ~?」
「えっと・・・・じゅ、十文字パーキングです。」
「十文字パーキング・・・・!?」
言った瞬間、おじさんの顔が険しくなった。
「兄ちゃん、あそこは悪ガキのたまり場だぞ?オメー、パシリか!?」
「いえ、違います。」
「金でも持って来いって言われたのか!?」
「いえ、カツアゲでもないです。」
「けど、誰かと待ち合わせてんだろう!?」
「いいえ、誰も待ってません。」
「はあ!?まさか、遊びにでも行くのかよ!?昼間にしろ、昼間!オメーみたいなちっちゃいのが行ったら、さらわれるか埋められるぞ!?」
「そう言われましても、約束ですので・・・・」
(やけにからんでくるな~)
身を乗り出して話しかけてくるおじさんと一緒に、黄色に変わった信号の光が目に映る。
「あの・・・僕は大丈夫ですので~お気になさらないでください。」
愛想笑いで伝えれば、一瞬私をにらんでからおじさんは言った。
「わかった!おっちゃんが乗せてってやる!そこの駐車場で、兄ちゃんと兄ちゃんの単車、トラックに積んでやるよ!!」
「へ?」
そう告げられた時、信号は青へと変わっていた。