彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「おい、兄ちゃん!いい加減、背中の絨毯取ったらどうだ!窮屈だろう!?」

「いえ、これは絨毯じゃなくて~十文字パーキングにつくまでは、肌身離さず持ってる約束でして~」

「お前、いじめられっ子か!?交番に連れて行ってやろうか?」

「ええ!?違います!大丈夫ですってば!」

「兄ちゃんが良いならいいけどよぉー・・・・おい、腹減ってるだろう?おにぎり食うか?」

「え?」

「ほら、後ろ!ビニール袋に入ってるから食いな!」

「でも・・・」

「人の親切は受け取るべきだぞ?」

「い、頂きます・・・!」




怒られたこともあり、後ろの座席に手を伸ばす。




みんな知ってた?

トラックって、5人ぐらい乗れるように、2列シートなんだよ。

私は知らなかったよ。




〔★凛の賢さが2上がった★〕




ビニールを掴んで膝の上に置く。

意外と重たくて、中には巨大なおにぎりが5個入っていた。




「わ~すごいサイズ!」

「がはははは!おにぎりや、鬼平のレギュラーサイズだ!マヨから揚げが美味いぞ!食ってみろ!」

「はい!頂きまーす!」




良い匂いにつられ、シルキロールを耳から外す。

ガサガサと包みを取ってかぶりつく。




「美味しいー!?」

「そうか、しっかり食えよ!」



ジューシーな肉汁とマヨネーズとお米が合う。



「すっごく美味しいです!どこで売ってるんですかー!?」

「こっから南に5キロ先の弁当屋だ!ネットでくぐれば、すぐ見つかるぞ?」

「探してみます!ありがとうございまーす!」



美味しい美味しいと食べる私に、おっちゃんはなぜかニコニコしていた。

夜食べるのは太るけど、空腹にかけてない。

美味しかったのもあって、どんどんおにぎりが減っていく。



「兄ちゃん、本当に美味しそうに食べるな?」

「美味しいですよ?」

「がはははは!そうか、そうか!兄ちゃん見てると、娘と息子が小さい時を思い出したぜ・・・ちいせぇ口でパクパク食べてな~」

「へぇ~可愛いですねー?」




〔★遠まわしに、自分も可愛いと言われているのことに凛は気づいていない★〕


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