彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
美味しく食べる私におっちゃんはつぶやく。
「兄ちゃん、ツラが良いんだから隠すことないだろう?普通に、可愛い顔してんぞ?」
「え?かわ・・・・・・・ああああああああああああ!しまった!!」
言われて気づく。
(良い匂いにつられ、思わず外してしまったが!)
「見なかった、ほごと、しへくははい!」
「いや、食うか、隠すかどっちかしろよ。」
〔★凛は残りのおにぎりを口に押し込んでから、シルキロールを装着した★〕
「もごもご・・・!すみません・・・!」
「謝り癖がついてるな~?誰もオメーのツラのことは言わねぇーよ!ほら、のどに詰まらせる前に茶で流せ!これもやるから!」
「す、すみません・・・!」
「もうすぐ、十文字パーキングだから!」
未開封のお茶をもらい、もう一度口元をさらしてからのどを潤す。
視界に、パーキングの明かりが見える。
(すごい・・・車だとあっという間だった。)
いくら旗を落とさないため、持ち運ぶためとはいっても、あのままだったら、もっと時間がかかってたよね・・・?
隣でハンドルを操作する人を目で見てから、トラックについてるデジタル時計を見る。
(11時50分・・・・これなら、旗を組み立ててすぐに出発できる。)
ホッと一息つきながら、貰ったお茶をさらに飲んだ時だった。
ギャウ~ン!!
パッパッパ~!
ボッ、ボッ、ボボッ!!
「え!?なになに!?」
「ゾッキーだろう?」
ペットボトルから口を話しながら聞けば、不機嫌そうにおっちゃんが言う。
「例の悪ガキ共だ!」
「悪ガキ?」
「言っただろう!?暴走族してるガキ達のたまり場なんだよ!」
「たまり場って・・・・」
言われて、助手席の窓から外を見る。
赤、白、黄色、青、緑・・・・・いろんな色の特攻服の少年達がおしゃべりしていた。
大型バイクにスクーター、ミニバイ、黒っぽい車やタイヤが太かったり、ラメのついた塗装の乗り物も近くにあった。