【完】ヴァンパイア、かなし
そろそろクラスに戻らなければと思い、僕は荘司先輩に一礼し踵を返すが、その先には進めない。
例の如く、荘司先輩に腕を掴まれてしまっているからだ。
「ねーねーエルザ、これから暇?」
「暇なわけ無いでしょう。まだ文化祭の準備が……って言っても、貴方は強引に何処かに連れて行くのでしょう?」
もうこの人の自由さにはすっかり慣れてしまった。そして、そのスイッチが入ると止められない翼が生えてしまう事にも。
「分かってるじゃん。展示で一階の音楽室がサボリの良い場所になってんの。ちょっと拝借しね?」
「もー、それありさ先生にバレたら僕が後で何か言われるんですからね」
「そういやエルザってあの先生と仲良しなんだっけな。あの先生可愛いのに色っぽいよなー」
文句を言いつつも犯行の意思のない僕に、荘司先輩は強めに掴んでいた腕を放して歩き出す。
そんな荘司先輩の、後ろでなく横に並んで歩く僕は、周りからどう見えているのだろう。
……いや、どう思われていようと、僕には関係無い。何故なら、この人もそう思っているだろうしそもそもどう思われているかなんて、考えてもいないだろうから。
例の如く、荘司先輩に腕を掴まれてしまっているからだ。
「ねーねーエルザ、これから暇?」
「暇なわけ無いでしょう。まだ文化祭の準備が……って言っても、貴方は強引に何処かに連れて行くのでしょう?」
もうこの人の自由さにはすっかり慣れてしまった。そして、そのスイッチが入ると止められない翼が生えてしまう事にも。
「分かってるじゃん。展示で一階の音楽室がサボリの良い場所になってんの。ちょっと拝借しね?」
「もー、それありさ先生にバレたら僕が後で何か言われるんですからね」
「そういやエルザってあの先生と仲良しなんだっけな。あの先生可愛いのに色っぽいよなー」
文句を言いつつも犯行の意思のない僕に、荘司先輩は強めに掴んでいた腕を放して歩き出す。
そんな荘司先輩の、後ろでなく横に並んで歩く僕は、周りからどう見えているのだろう。
……いや、どう思われていようと、僕には関係無い。何故なら、この人もそう思っているだろうしそもそもどう思われているかなんて、考えてもいないだろうから。