【完】ヴァンパイア、かなし
荘司先輩が僕に全てを話してくれたのは、きっと僕を信じてくれているから。
過去がどうであれ、種族の違う異端な僕をここまで真っ直ぐに信じてくれている荘司先輩は、最初から最後まで疑わずに信じているのだ。
「荘司先輩は、僕が和真先輩を吸血するとは思わなかったのですか?」
「馬鹿。そうだったらこんなに弱ってねぇだろ。……それにお前、ずっと苦しんでただろ。和真を好きな気持ちと戦ってたの、分かってた。だから信じれたんだよ」
もう長くない命の中で、死ぬ前に荘司先輩がそう思ってくれていた事を知れて、僕は幸せ者だ。
「僕は貴方と出会えて良かった。貴方のような友人が出来て、幸せだった」
言葉をこぼさずにはいられなかった。僕のこれから生きる時間は、生きてきた時間より短いものだと分かっているからこそ、僕は正直になれるのかもしれない。
そんな僕の顔面を、遠慮無しに荘司先輩がひっつかんだ。
「痛い……!ちょっと、弱ってるんだから手加減して下さい!」
「しねぇよ!……そんな、もうすぐ死ぬみたいな言い方すんなよ」
「荘司先輩……」
力のこもった彼の手の、指の隙間から見える顔はとても苦しそう。衰弱している僕よりも、ずっと苦しそう。
過去がどうであれ、種族の違う異端な僕をここまで真っ直ぐに信じてくれている荘司先輩は、最初から最後まで疑わずに信じているのだ。
「荘司先輩は、僕が和真先輩を吸血するとは思わなかったのですか?」
「馬鹿。そうだったらこんなに弱ってねぇだろ。……それにお前、ずっと苦しんでただろ。和真を好きな気持ちと戦ってたの、分かってた。だから信じれたんだよ」
もう長くない命の中で、死ぬ前に荘司先輩がそう思ってくれていた事を知れて、僕は幸せ者だ。
「僕は貴方と出会えて良かった。貴方のような友人が出来て、幸せだった」
言葉をこぼさずにはいられなかった。僕のこれから生きる時間は、生きてきた時間より短いものだと分かっているからこそ、僕は正直になれるのかもしれない。
そんな僕の顔面を、遠慮無しに荘司先輩がひっつかんだ。
「痛い……!ちょっと、弱ってるんだから手加減して下さい!」
「しねぇよ!……そんな、もうすぐ死ぬみたいな言い方すんなよ」
「荘司先輩……」
力のこもった彼の手の、指の隙間から見える顔はとても苦しそう。衰弱している僕よりも、ずっと苦しそう。