【完】ヴァンパイア、かなし


荘司先輩はうちに訪問してから、ちゃんと和真先輩に連絡は入れるようになったようだ。


元々三年生は大学進学をする者以外は単位の調整でたまに学校に来れば良い状況だったようで、荘司先輩の行為自体に問題は無いらしい。


和真先輩のように、三年間皆勤賞を狙って真面目に登校する者の方が珍しいのだ。


その真面目さが彼女らしいと言えば彼女らしい。


その彼女らしい真面目くさった性格さえも愛しく思えてしまうのは、いつかありさ先生が『恋は病のようなもの』と言っていたその言葉通り、僕がその病にかかってしまっているからなのかもしれない。


ありさ先生と言えば、先任の音楽教師が産休から明けたのをきっかけに、学校を辞めるのだそうだ。


先日、ありさ先生はうちへ見舞いを兼ねてその話をしに来てくれた。
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