【完】ヴァンパイア、かなし
和真先輩はもぞもぞと足を動かしている。どうやら、クロックスサンダルをベッドの外に脱いだようだ。
「全く、人のベッドに土足で、しかも薄着で入って来るなんて、貴女はどうかしてます」
「なっ……!確かに少し大胆な事をしたとは思っているが、ベッドに入れたのは君じゃないか」
クスクスと笑いながら言い合っていると、和真先輩のパワーストーンのように透明度の高い黒い眼に囚われる。
写る僕は酷く醜くて、この奥に彼女を食らうことを諦めていない化け物がいることを暴かれてしまいそうで、目を逸らしたくなる。
「こら。目を逸らすな。君はあまり私の目を見て話さない。出会ってからずっとだ」
「貴女の目を見ていると、滅茶苦茶に汚して、溶かしてしまいたくなる。全部を奪いたくなるから」
こんな煽欲的な事を言えば、きっと彼女は頬を染めて離れてくれるだろう。なんせ、彼女はこの手の事に慣れていない。
更に、からかうように頬に手を添えて親指で彼女の唇をなぞってみせる。
しかし、視線を逸らす為に行ったのに、彼女は僕の目から決して目を逸らさない。それどころか、情欲さえ感じれるような潤みを徐々に眼に帯びさせているのだ。
「全く、人のベッドに土足で、しかも薄着で入って来るなんて、貴女はどうかしてます」
「なっ……!確かに少し大胆な事をしたとは思っているが、ベッドに入れたのは君じゃないか」
クスクスと笑いながら言い合っていると、和真先輩のパワーストーンのように透明度の高い黒い眼に囚われる。
写る僕は酷く醜くて、この奥に彼女を食らうことを諦めていない化け物がいることを暴かれてしまいそうで、目を逸らしたくなる。
「こら。目を逸らすな。君はあまり私の目を見て話さない。出会ってからずっとだ」
「貴女の目を見ていると、滅茶苦茶に汚して、溶かしてしまいたくなる。全部を奪いたくなるから」
こんな煽欲的な事を言えば、きっと彼女は頬を染めて離れてくれるだろう。なんせ、彼女はこの手の事に慣れていない。
更に、からかうように頬に手を添えて親指で彼女の唇をなぞってみせる。
しかし、視線を逸らす為に行ったのに、彼女は僕の目から決して目を逸らさない。それどころか、情欲さえ感じれるような潤みを徐々に眼に帯びさせているのだ。