【完】ヴァンパイア、かなし
「うふふ、なんて芳醇な血の香り。ああ、もう待ちくたびれたわ。余興は終わり。そろそろ、空腹を満たそうかしらねぇ……」
うっとりと和真先輩を見つめ、その白い首筋をべろりと舐めたありさ先生は、紅潮させた頬を上げて微笑み、そして、八重歯をその柔らかな肌に立てる。
「首筋からかしら?膝の裏も美味しそう。それとも手首からゆっくり堪能しようかな。ねぇ、どうされたい?赤嶺さん」
「や……や!」
危険を感じて精一杯に身をよじる和真先輩に、満足げな視線を送るありさ先生。
僕は今すぐ飛び出したい衝動を抑え、和真先輩を助けられて、且つ、ありさ先生を一発で仕留められる方法と瞬間を考え、そして、待った。
「決めたわ。やっぱりスタンダードに首筋からね。此処が、一番美味しそうな香りだもの」
そうして目を細め、和真先輩の首筋へ牙を剥くその瞬間。待ってたその瞬間、僕は在る力す全てを注ぎ、二人の元へとぐんと飛んだ。
うっとりと和真先輩を見つめ、その白い首筋をべろりと舐めたありさ先生は、紅潮させた頬を上げて微笑み、そして、八重歯をその柔らかな肌に立てる。
「首筋からかしら?膝の裏も美味しそう。それとも手首からゆっくり堪能しようかな。ねぇ、どうされたい?赤嶺さん」
「や……や!」
危険を感じて精一杯に身をよじる和真先輩に、満足げな視線を送るありさ先生。
僕は今すぐ飛び出したい衝動を抑え、和真先輩を助けられて、且つ、ありさ先生を一発で仕留められる方法と瞬間を考え、そして、待った。
「決めたわ。やっぱりスタンダードに首筋からね。此処が、一番美味しそうな香りだもの」
そうして目を細め、和真先輩の首筋へ牙を剥くその瞬間。待ってたその瞬間、僕は在る力す全てを注ぎ、二人の元へとぐんと飛んだ。