【完】ヴァンパイア、かなし
血液パックを摂取する際、体から発せられる熱で毎回染料が蒸発していた髪の毛は、毎日摂取する事により染めることが不可となってしまった。


肌の色に関しては、摂取後日焼け止めクリームでいくらでも誤魔化せるが、髪の毛はそうもいかない。


元々白皮症である事は学校に書類を出しているから、この白金色の髪の毛自体は問題無いが、この、顔の半分を覆う白金は、あまりにあの小さな社会では目立ってしまう。


きっとどの道目立ってしまうのだが、少しでもそれが和らぐ選択肢を選び、僕は、癖のある多い髪の毛を、額まで露わになる位の長さ、いわゆるベリーショートにまで切った。


そして赤い目は、カラーコンタクトが付けれない弱い目だから完全には隠せない為、悪足掻きに眼鏡を銀のシンプルなフレームから、スクエア型の青く太い縁の物に変え対応。


一日体調不良で休んだ身長だけ高い地味な生徒が、翌々日登校した時にこの見た目になっていれば誰だって驚くだろう。
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