空谷の跫音 ークウコクノキョウオンー
この苦しみはすべてがあの悪夢のような運命の日が始まりだった…
あの日は生憎の雨
豪雨の中、家族で家に帰っているところだった
私はまだ十歳で幼かったがこの記憶は嫌でも鮮明に覚えている
私は赤が大嫌いだ
目の前が真っ赤になったのを思い出すから
最後に流した涙を思い出すから
だから、私は思う
目の前の赤も
大嫌いな皆も
私という存在も
涙を流す感情も
全部消えてしまえばいいのにと