空谷の跫音 ークウコクノキョウオンー
白い雲と蒸し暑い日の光、世界を覆う青い空が今日もいつもと同じようにある
日常は繰り返す
学校から家への往復以外はしないし、趣味もない
だから、今日もそんな日常が繰り返されると思っていた
「かーなねちゃん!」
「!?」
学校から見える窓の景色をボーとしていたせいか、人が近づいてきたことに気づかなかった
「俺、東城院光麻!!よろしく!」
東城院...あ、問題児の
でも、性格明るくて顔も良いからモテるのよね
「...藤堂。よろしく」
私には関係ない人
「ん、じゃ今日日直だから放課後帰るなよ!またな!」
「...藤堂さんって暗いよね。無口で近づきずらいしさー」
「光麻クンも挨拶とかわざわざしなくていいのに」
唇をおもわずキツクした
そんなことは自分でも分かってる...
でも、私は怖い
友達を作ることが
「......」
私は気づかなかった
近くでクラスメイトの一人が見ていたことを