幼馴染みはイジワル課長
永遠の片想い
1人の幼なじみ
「課長…コーヒーです」
「…ああ」
白くて絵柄のないシンプル過ぎるマグカップに入った熱いホットコーヒーを、私は気まずそうに課長のデスクに置いた。
課長は私に目を合わせる事もなく、パソコンに目を向けながら仕事を続ける。
ああ、今日もやりにくい…
私と課長は訳ありの幼馴染み。
しばらく離れていたけど彼は私の心の恋人…
ただそれだけ。
澤村桜花(さわむら おおか)25歳の普通のOL。キッチン用品を取り扱う企業「クチーナ株式会社」の営業部の事務をしている。
元々この会社の派遣として総務で働いていた私だったのだが、社員が立て続けに辞めた事で人手不足になり営業部の正社員になり異動してきた。
本当は営業なんて向いてないし、元々正社員なんてまっぴらだと思っていたけど…総務の部長にどうしてもと頼まれ、仕方なくというのが本当の所。
まあ、正直言って真面目に就職していない自分に危機を感じていたから、心の中では正社員となってどこか安心している自分もいた。だけどその気持ちは営業部に異動してきてから5秒くらいで打ち砕かれた…
今さっき私がコーヒーを持って行ったあの上司は、真田 碧(さなだあお)。まだ30歳というあの若さで課長クラス。
おまけに完璧といってもいい程のルックスと、スラリと高い身長にちょうどいい男らしいスタイル。鼻筋がスッと通っていて肌はきれいで清潔感もあり、髪はダークブラウン色の短くも長くもないといったところ。
誰がどう見てもイケメンの彼はクールな雰囲気と、どこかミステリアスな感じを漂わせていて女性社員からはすごく人気だった。
「今日の課長見た?」
「見た見た♪素敵なネクタイよね~本当いつもセンスいいわ~」
オフィス内ではこんな女性社員の声が毎日のように飛び交っている。
私はその言葉を耳にしてどこか心の中がチクリと痛む事に気付かないフリをしながらも、この痛みを肌身に感じて深いため息をついた。
真田課長がイケメンだという事もモテる事も…私は当の昔からわかっている。なんなら子供の時から知っていると言ってもいい…
だって私と課長は…幼い頃から幼馴染みだから。
給湯室に戻った私は流し台に散乱しているマグカップを洗いながら、過去の事を思い出していた。
「…ああ」
白くて絵柄のないシンプル過ぎるマグカップに入った熱いホットコーヒーを、私は気まずそうに課長のデスクに置いた。
課長は私に目を合わせる事もなく、パソコンに目を向けながら仕事を続ける。
ああ、今日もやりにくい…
私と課長は訳ありの幼馴染み。
しばらく離れていたけど彼は私の心の恋人…
ただそれだけ。
澤村桜花(さわむら おおか)25歳の普通のOL。キッチン用品を取り扱う企業「クチーナ株式会社」の営業部の事務をしている。
元々この会社の派遣として総務で働いていた私だったのだが、社員が立て続けに辞めた事で人手不足になり営業部の正社員になり異動してきた。
本当は営業なんて向いてないし、元々正社員なんてまっぴらだと思っていたけど…総務の部長にどうしてもと頼まれ、仕方なくというのが本当の所。
まあ、正直言って真面目に就職していない自分に危機を感じていたから、心の中では正社員となってどこか安心している自分もいた。だけどその気持ちは営業部に異動してきてから5秒くらいで打ち砕かれた…
今さっき私がコーヒーを持って行ったあの上司は、真田 碧(さなだあお)。まだ30歳というあの若さで課長クラス。
おまけに完璧といってもいい程のルックスと、スラリと高い身長にちょうどいい男らしいスタイル。鼻筋がスッと通っていて肌はきれいで清潔感もあり、髪はダークブラウン色の短くも長くもないといったところ。
誰がどう見てもイケメンの彼はクールな雰囲気と、どこかミステリアスな感じを漂わせていて女性社員からはすごく人気だった。
「今日の課長見た?」
「見た見た♪素敵なネクタイよね~本当いつもセンスいいわ~」
オフィス内ではこんな女性社員の声が毎日のように飛び交っている。
私はその言葉を耳にしてどこか心の中がチクリと痛む事に気付かないフリをしながらも、この痛みを肌身に感じて深いため息をついた。
真田課長がイケメンだという事もモテる事も…私は当の昔からわかっている。なんなら子供の時から知っていると言ってもいい…
だって私と課長は…幼い頃から幼馴染みだから。
給湯室に戻った私は流し台に散乱しているマグカップを洗いながら、過去の事を思い出していた。