幼馴染みはイジワル課長
こんなんじゃダメなのに…こんなことくらいで沈んでるようじゃダメなのに…
「あの…そちらの方は?」
金城さんが私の顔を上目遣いで覗き込んで来る。私は慌てて仕事スイッチを入れ直した。
「あ、えっと…」
「部下の澤村です。この前入社したばかりで今は僕のサポートをしてもらっています。本日はこちらの打ち合わせに同行させました」
急なことで慌てている私を見かねたように、課長がうまくフォローしてくれた。
「クチーナ株式会社営業の澤村です。よろしくお願いします…」
「カタログ通販オレンジの営業金城です!よろしく!」
元気よく笑って挨拶をしてくれた金城さん。でもその顔は作り笑いで、課長の前だからいい顔をしていることも私にはわかっていた…
きっと真田課長と一緒に行動してる私の存在なんか、面白くないと思っているに違いない。25歳にもなるともうこういう事にも鈍感になれなくなってくるものだ…
「真田さん!また会いましょうね、お気を付けて~」
「ありがとうございます」
エレベーターが来ると、金城さんは手を振って私たちを見送ってくれた。私は金城さんに頭を下げたが彼女の目線は課長にしかいっていなかった。
扉が閉まりエレベーターが動き始めると張り詰めていた気持ちが緩み、思わずため息がでてしまう…
「大丈夫か…?」
「えっ…」
課長に今のため息聞こえてた!?聞こえないくらい小声で言ったつもりだったけど…
「だ、大丈夫ですっ!ごめんなさいっ、仕事中なのに…」
ため息つくなんて…聞いた側からしたら嫌な気持ちになるよね…
「今は2人きりだ。それに…今は仕事中じゃなく移動中」
「あ…」
いつになく優しい口調の課長に、本気で顔が赤くなってしまいおまけに心臓がバクバク鳴り始める。
今は…課長じゃなくて幼馴染みの碧として話してくれてるのか…
「本当に大丈夫!緊張してたから打ち合わせが終わって安心しただけ…」
「そうか。ならいいけど…」
うわべだけの言葉ではなく、本当にホッとしているような顔をする碧。幼馴染みとして心配してくれてるだけでも私はすごく嬉しい…
ガコン
エレベーターの扉が開き、碧は私よりも先に降りた。
なんか汗かいちゃったしトイレでメイク直したいかも…ついでに手も洗いたいけど碧にはなんとなく言いにくいな…
♪♪♪…
すると私がエレベーターを降りたと同時に、碧の携帯が鳴った。
「あの…そちらの方は?」
金城さんが私の顔を上目遣いで覗き込んで来る。私は慌てて仕事スイッチを入れ直した。
「あ、えっと…」
「部下の澤村です。この前入社したばかりで今は僕のサポートをしてもらっています。本日はこちらの打ち合わせに同行させました」
急なことで慌てている私を見かねたように、課長がうまくフォローしてくれた。
「クチーナ株式会社営業の澤村です。よろしくお願いします…」
「カタログ通販オレンジの営業金城です!よろしく!」
元気よく笑って挨拶をしてくれた金城さん。でもその顔は作り笑いで、課長の前だからいい顔をしていることも私にはわかっていた…
きっと真田課長と一緒に行動してる私の存在なんか、面白くないと思っているに違いない。25歳にもなるともうこういう事にも鈍感になれなくなってくるものだ…
「真田さん!また会いましょうね、お気を付けて~」
「ありがとうございます」
エレベーターが来ると、金城さんは手を振って私たちを見送ってくれた。私は金城さんに頭を下げたが彼女の目線は課長にしかいっていなかった。
扉が閉まりエレベーターが動き始めると張り詰めていた気持ちが緩み、思わずため息がでてしまう…
「大丈夫か…?」
「えっ…」
課長に今のため息聞こえてた!?聞こえないくらい小声で言ったつもりだったけど…
「だ、大丈夫ですっ!ごめんなさいっ、仕事中なのに…」
ため息つくなんて…聞いた側からしたら嫌な気持ちになるよね…
「今は2人きりだ。それに…今は仕事中じゃなく移動中」
「あ…」
いつになく優しい口調の課長に、本気で顔が赤くなってしまいおまけに心臓がバクバク鳴り始める。
今は…課長じゃなくて幼馴染みの碧として話してくれてるのか…
「本当に大丈夫!緊張してたから打ち合わせが終わって安心しただけ…」
「そうか。ならいいけど…」
うわべだけの言葉ではなく、本当にホッとしているような顔をする碧。幼馴染みとして心配してくれてるだけでも私はすごく嬉しい…
ガコン
エレベーターの扉が開き、碧は私よりも先に降りた。
なんか汗かいちゃったしトイレでメイク直したいかも…ついでに手も洗いたいけど碧にはなんとなく言いにくいな…
♪♪♪…
すると私がエレベーターを降りたと同時に、碧の携帯が鳴った。