幼馴染みはイジワル課長
ボソッと言う私に、碧は隙をついたように私の脇腹をくすぐって来た。
「やめてよー」
「俺はエロでも親父でもねえよ」
エレベーターの中でキャッキャと騒ぐ私達は、まるで一瞬だけ子供に戻ったみたいだ。
そして私達の乗るエレベーターの扉が開き、私と碧はまだはしゃいでいる延長のまま2人で降りた。
碧はエレベーターから降りるなり、カバンから鍵を出す。
その仕草が前々から密かに好きだった私は、今日もそれが見れてドキドキしていた。
なんでこんなにかっこいいだろ~
さりげない些細なことなのに、何もかもが完璧でスマートなんだよな碧は。
あ、また自分の彼氏のこと過剰評価しちゃった…
でも自分の中で思ってるだけならいいよね。
「あ、忘れてた」
「え?」
部屋の前まで着くと、碧は思い出したように言ってまたカバンを探り始めた。
不思議に思いながら碧の行動を見ていると…
「…ん」
碧が私に差し出して来たのは鍵だった。
「え、っと…」
訳の分からないまま鍵を受け取った私は、頭の中で一瞬で色々考えた後で口を開いた。
「合鍵…だよね?」
もう学生でも子供でないから、鍵を渡された=合鍵ということくらいわかる。
「まあそういうこと」
「うそ…」
嬉しいっ…!
まさか合鍵をもらえるなんて…こんな嬉しいサプライズはないよ!
私はもらったばかりの鍵をギュッと握って喜びに浸り、嬉しすぎてうるうると目を麗せていた。
「一緒に暮らさないか」
「へ…?」
碧のその言葉に私はその場で停止して、持っていた鍵を床に落とした。
カランという鍵の落ちた音がまるでスイッチのように、時間が止まったような気がした…
「実はずっと前から言おうと思ってた事だったんだけど…お前が山城とルームシェアするって言うから、言うタイミング逃した。でもお前が…退院して落ち着いたら絶対言おうって決めてたんだ」
碧は落ちた鍵を拾うと、また私に差し出してそう言った。
「お前が事故に遭ってから…もうお前と離れて暮らすのなんて心配たまらない。それに…俺はずっとお前といたいんだ。だから…」
「…?」
碧は背広の内ポケットに手を入れると、片方の手で私の左手を握りしめて上にそっと持ち上げる…
そして、内ポケットから出したキラリと光るものを私の左手の薬指にはめた。
「えっ…」
私の左手の薬指には大きなダイヤモンドがついた、シルバーの指輪が…
「同棲するからには…婚約しないとな。明日お前の両親に挨拶に行こう。婚約を許してくれるか微妙だけど…」
「う…」
潤んでいた目の中の涙のタンクはオーバーになり、私の目からは涙が溢れ出た。
「今日は笑ったり泣いたり忙しいな」
優しく頭を撫でてくれる碧に、私は口元を手で押さえて声を押し殺しながら泣いた…
こんな日が訪れるなんて…つい最近の私には有り得ないことだった…
勇気を出して良かった…
あのまま自分の気持ちを押さえ込んでたら、こんな日はきっと来なかったから。
タタタ…
するとどこからか足音が聞こえて来ると、碧は慌てて部屋のドアを開けて私を強引に部屋の中に入れた後、自分も素早く部屋に入った。
「どうしたの…?」
「近所の人がいたから慌てて部屋に入ったんだよ。今の状況だと、俺が女を泣かせてるみたいで変な誤解されるだろ」
焦った様子で言う碧に、私は涙を拭いながらクスクス笑った。
「それに…」
「ん?………んっ」
私が顔を上げた瞬間、碧は隙をついたように私にキスをした。
「さすがに玄関先ではこれは出来ないしな」
「…」
このキスがまるで誓いのように、私達は婚約しました。
「やめてよー」
「俺はエロでも親父でもねえよ」
エレベーターの中でキャッキャと騒ぐ私達は、まるで一瞬だけ子供に戻ったみたいだ。
そして私達の乗るエレベーターの扉が開き、私と碧はまだはしゃいでいる延長のまま2人で降りた。
碧はエレベーターから降りるなり、カバンから鍵を出す。
その仕草が前々から密かに好きだった私は、今日もそれが見れてドキドキしていた。
なんでこんなにかっこいいだろ~
さりげない些細なことなのに、何もかもが完璧でスマートなんだよな碧は。
あ、また自分の彼氏のこと過剰評価しちゃった…
でも自分の中で思ってるだけならいいよね。
「あ、忘れてた」
「え?」
部屋の前まで着くと、碧は思い出したように言ってまたカバンを探り始めた。
不思議に思いながら碧の行動を見ていると…
「…ん」
碧が私に差し出して来たのは鍵だった。
「え、っと…」
訳の分からないまま鍵を受け取った私は、頭の中で一瞬で色々考えた後で口を開いた。
「合鍵…だよね?」
もう学生でも子供でないから、鍵を渡された=合鍵ということくらいわかる。
「まあそういうこと」
「うそ…」
嬉しいっ…!
まさか合鍵をもらえるなんて…こんな嬉しいサプライズはないよ!
私はもらったばかりの鍵をギュッと握って喜びに浸り、嬉しすぎてうるうると目を麗せていた。
「一緒に暮らさないか」
「へ…?」
碧のその言葉に私はその場で停止して、持っていた鍵を床に落とした。
カランという鍵の落ちた音がまるでスイッチのように、時間が止まったような気がした…
「実はずっと前から言おうと思ってた事だったんだけど…お前が山城とルームシェアするって言うから、言うタイミング逃した。でもお前が…退院して落ち着いたら絶対言おうって決めてたんだ」
碧は落ちた鍵を拾うと、また私に差し出してそう言った。
「お前が事故に遭ってから…もうお前と離れて暮らすのなんて心配たまらない。それに…俺はずっとお前といたいんだ。だから…」
「…?」
碧は背広の内ポケットに手を入れると、片方の手で私の左手を握りしめて上にそっと持ち上げる…
そして、内ポケットから出したキラリと光るものを私の左手の薬指にはめた。
「えっ…」
私の左手の薬指には大きなダイヤモンドがついた、シルバーの指輪が…
「同棲するからには…婚約しないとな。明日お前の両親に挨拶に行こう。婚約を許してくれるか微妙だけど…」
「う…」
潤んでいた目の中の涙のタンクはオーバーになり、私の目からは涙が溢れ出た。
「今日は笑ったり泣いたり忙しいな」
優しく頭を撫でてくれる碧に、私は口元を手で押さえて声を押し殺しながら泣いた…
こんな日が訪れるなんて…つい最近の私には有り得ないことだった…
勇気を出して良かった…
あのまま自分の気持ちを押さえ込んでたら、こんな日はきっと来なかったから。
タタタ…
するとどこからか足音が聞こえて来ると、碧は慌てて部屋のドアを開けて私を強引に部屋の中に入れた後、自分も素早く部屋に入った。
「どうしたの…?」
「近所の人がいたから慌てて部屋に入ったんだよ。今の状況だと、俺が女を泣かせてるみたいで変な誤解されるだろ」
焦った様子で言う碧に、私は涙を拭いながらクスクス笑った。
「それに…」
「ん?………んっ」
私が顔を上げた瞬間、碧は隙をついたように私にキスをした。
「さすがに玄関先ではこれは出来ないしな」
「…」
このキスがまるで誓いのように、私達は婚約しました。