幼馴染みはイジワル課長
朝、早めに支度を終えた私は…コーヒーを入れて一息ついていると、テーブルに置いてあるスマホが震えた。

画面を見ると、歩未ちゃんからの着信だった。私はコーヒーの入ったカップを置いて、すぐに電話に出る。





「もしもし?」

「あ、もしもし?ごめんね、こんな朝早くに電話しちゃって」


電話から聞こえて来る歩未ちゃんの声は、朝だというのにとても元気で明るい。





「今日は珍しく早起きしたから大丈夫だよ~ところでどうしたの?」

「んー…いやあさ~会社辞めたけどいつも通りに起きちゃって暇だったから、ついつい桜花ちゃんに連絡しちゃった」


歩未ちゃんはえへへと笑って言った。





「あはは♪先週の金曜に退職して…今日はまだ月曜日で3日しか経ってないから調子狂うんじゃない?」

「そーなの。朝も普通に目が覚めたし、会社に行く支度しようとしちゃったよ」


それを聞いて笑うと、歩未ちゃんは「参っちゃうよね」と言って笑った。



つい三日前の週末。歩未ちゃんと部長は会社を退職した。

この前の一件で誰も2人を悪く言う人はいなくて、2人は私達に何度も挨拶をした後オフィスを後にした。


今日会社に行っても…もう2人がいないと思うと変な感じだし、心細くもある。

でも2人がいないからこそ、私も頑張らなくちゃね!





「またフリーターに戻っちゃったよ~でも今日バイトの面接があるんだよね」

「そうなんだ!なんのバイトするの?」

「今のところカフェとかで考えてて…」

「カフェかぁ♪いいね!歩未ちゃんに合ってるよ!」


かわいい制服を着て接客してる歩未ちゃんの姿が、リアルに頭に思い浮かぶ。





「受かったら食べに来てね~会社から誓いところだから」

「うん!絶対行くよ!」


その後、しばらく歩未ちゃんと雑談したあと、近々会う約束をして電話を切った私。






「朝から長電話…女ってすごいな」


洗面所から出てくる碧は、呆れた顔をしてそう言って私の座っているソファーに近づいて来た。




実は…碧との同棲を昨日からスタートさせた私。

まだ荷物の整理は終わってないけど、やっと引っ越しが完了したんです!


このまま結婚に向かって進んで行ってるのかな…

そう思うとにやけそうになるよ。





「歩未ちゃんからの電話だもん。そりゃあ長電話になるよ」


女子の話は長いものなんです!





「山城か…」

「歩未ちゃんカフェでバイトするんだって~働きだしたらお店に顔だそうね」

「ああ」


碧は私の飲みかけのコーヒーを飲むと、着ているロンTを脱ぎ始めた。





「えっ、ちょっと!何やってるの!?」


上半身裸の碧は、私を見てキョトンとした顔をする。





「何って…着替えるんだよ」

「し、寝室で着替えなよ」


あっちの部屋に服とかあるんだしさ…





「朝から変な事考えてんじゃねえよ」

「はぁ!?考えてないし!!」


朝から何言ってんのよっ






「でもまぁ…」

「え、きゃあっ」




どさっ






碧は私をそのままソファーに押し倒すと、私に覆いかぶさりながらニヤリと微笑んだ。

碧の肌が私の腕にくっついて、ドキドキしてしまう…







「せっかく早起きしたんだし…1回くらいする時間あるよな」


そう言うと、碧は意地悪そうに笑う。






「エロ親父」

「んだと…」

「きゃ!…あはは……」


ソファーの上で、碧にくすぐられドスドスと暴れる私。


本当に朝から何やってるんだって話だけど…すっごく幸せです!
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