幼馴染みはイジワル課長
「おはようございます」
その日。私は碧と一緒に会社に出勤して、いつも通りにデスクに腰掛けて荷物を置いた。
ふと隣に目を向けると、私の隣のデスクには荷物が一つもなくがらんとしていた。
今まで歩未ちゃんが使っていたデスク…
今日から歩未ちゃんはいないのか。
気を引き締めて頑張らなくちゃだけど、ランチとかどうしよう…
1人でカフェに行くのは嫌だよ~
今朝、歩未ちゃんと電話で話したばかりなのに…もう恋しいよ。
「では朝礼を始めます」
歩未ちゃんのことを考えていると、碧が社員達に声をかけると全員が一斉に立ち上がり一気に朝礼モードになる。
私も気持ちを切り替えてふぅと息を吸ったあと、窓側の自分のデスクの前に立つ碧に目を向けた。
「えー…朝礼を始める前に皆さんに報告があります。今日から私真田が営業課部長に昇進致しました」
碧のその一言で、オフィス内の空気が一瞬で変わる。
そう。
歩未ちゃんと同じ日に課長も退職したから、今日から碧が部長になったのだ。
碧が部長となると、なんだかオフィスの雰囲気が違って見えてみんなピリッとしている。
「俺が部長になったから何か変わるわけでもない。今まで通りきちんと仕事をこなしてもらうのでよろしく」
「はい」
何か変わるわけないなんて言ってるけど…確実に前の部長よりも厳しくなるのは明らかだよね。
みんなそれをわかってるから、こんな空気になるんだな…
「でも真田さんが部長なんて…ますますかっこいいよね」
「うんうん!」
近くにいる先輩女性社員達の声が聞こえてきて、私はちょっと複雑。
どんなに碧が仕事で厳しい人だとしても、そんなの女子からすれば関係ないのかも…
これから益々モテるだろうな~
あの歳で部長だし、本気でアタックしてくる人とか出てくるんじゃない?
そうなったらどうしよう…
「それとついでに御報告しますが、先日婚約したので近いうちに結婚すると思いますが…まぁそんな感じでよろしくお願いいたします」
え!
さっきまでしーんとしていたオフィスが、急にざわざわし始める。
碧があんなこと言ったせいだよっ
ってゆうか、このタイミングで言う!?私全然聞いてないんだけど!
碧は何事もなかったかのように話を進めると、次に新しい課長になった総務から異動してきた碧よりもかなり年上の人を紹介した。
そして朝礼が終わると、周りの社員達は手を動かしながら碧の婚約の話題で持ち切りに…
「もーショック~」
「あの歳で婚約なんて…今の時代早くない?」
「相手はどんな人かしらね?」
私はパソコンのキーを叩きながら、その会話をじっと聞いていた。
その相手はここにいますよ…!
そんなこと知ったらガッカリするんでしょうね…
こんな平凡で普通で、背も低いし胸だってないし…
「澤村」
「あ、はい!」
碧に呼ばれた私は、デスクから立ち上がり小走りで部長のところへ向かう。
その日。私は碧と一緒に会社に出勤して、いつも通りにデスクに腰掛けて荷物を置いた。
ふと隣に目を向けると、私の隣のデスクには荷物が一つもなくがらんとしていた。
今まで歩未ちゃんが使っていたデスク…
今日から歩未ちゃんはいないのか。
気を引き締めて頑張らなくちゃだけど、ランチとかどうしよう…
1人でカフェに行くのは嫌だよ~
今朝、歩未ちゃんと電話で話したばかりなのに…もう恋しいよ。
「では朝礼を始めます」
歩未ちゃんのことを考えていると、碧が社員達に声をかけると全員が一斉に立ち上がり一気に朝礼モードになる。
私も気持ちを切り替えてふぅと息を吸ったあと、窓側の自分のデスクの前に立つ碧に目を向けた。
「えー…朝礼を始める前に皆さんに報告があります。今日から私真田が営業課部長に昇進致しました」
碧のその一言で、オフィス内の空気が一瞬で変わる。
そう。
歩未ちゃんと同じ日に課長も退職したから、今日から碧が部長になったのだ。
碧が部長となると、なんだかオフィスの雰囲気が違って見えてみんなピリッとしている。
「俺が部長になったから何か変わるわけでもない。今まで通りきちんと仕事をこなしてもらうのでよろしく」
「はい」
何か変わるわけないなんて言ってるけど…確実に前の部長よりも厳しくなるのは明らかだよね。
みんなそれをわかってるから、こんな空気になるんだな…
「でも真田さんが部長なんて…ますますかっこいいよね」
「うんうん!」
近くにいる先輩女性社員達の声が聞こえてきて、私はちょっと複雑。
どんなに碧が仕事で厳しい人だとしても、そんなの女子からすれば関係ないのかも…
これから益々モテるだろうな~
あの歳で部長だし、本気でアタックしてくる人とか出てくるんじゃない?
そうなったらどうしよう…
「それとついでに御報告しますが、先日婚約したので近いうちに結婚すると思いますが…まぁそんな感じでよろしくお願いいたします」
え!
さっきまでしーんとしていたオフィスが、急にざわざわし始める。
碧があんなこと言ったせいだよっ
ってゆうか、このタイミングで言う!?私全然聞いてないんだけど!
碧は何事もなかったかのように話を進めると、次に新しい課長になった総務から異動してきた碧よりもかなり年上の人を紹介した。
そして朝礼が終わると、周りの社員達は手を動かしながら碧の婚約の話題で持ち切りに…
「もーショック~」
「あの歳で婚約なんて…今の時代早くない?」
「相手はどんな人かしらね?」
私はパソコンのキーを叩きながら、その会話をじっと聞いていた。
その相手はここにいますよ…!
そんなこと知ったらガッカリするんでしょうね…
こんな平凡で普通で、背も低いし胸だってないし…
「澤村」
「あ、はい!」
碧に呼ばれた私は、デスクから立ち上がり小走りで部長のところへ向かう。