幼馴染みはイジワル課長
課長に無理矢理笑顔を向ける私だが、心の中はモヤモヤと霧がかったような気持ちに。

金城さんのあんな噂を聞いちゃったあとだもんね…しかもあの人絶対に碧狙いだし、余計にモヤモヤするよ。



すると、課長がキョトンとした顔で私の顔をじーっと見てきた。




「な、なにかついてますか私…?」

「いや…さっきよりも唇が光ってるなと思って…」

「えっ!」


確かにさっき個室でグロス塗ったけど…どうしてこんなこと気づくの…?




「俺は車に戻るぞ。そこでモタモタしてんなら置いていくからな」

「ちょ、待ってくださいよ!」


唇を両手で押さえてドキドキしていると、課長は先にスタスタと歩いて行ってしまい私は慌てて後を追いかけた。

2人で仕事とは関係のない他愛のない話をしながら、車を止めていたパーキングへ戻り車に乗り込んだ。





「桜花」

「はい?」


車を走らせてから少し経った時、課長は運転しながら話しかけてくる。碧が私のことを下の名前で呼びドキッと胸が高鳴った。
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