幼馴染みはイジワル課長
ここ(営業部)に来て驚いた事は課長のデスクに碧が座っていた事。
私はオフィスに入るなり窓際のデスクに座ってこっちを見つめる碧にすぐに気付き、驚いて持っていた荷物を床に落としてしまった…
こんな偶然ある…?そう何度繰り返し思っただろう。
現実は受け止めるしかない。それはわかっていたのだけれど、まだ営業部に来て数日…どうしてもやりきれない。
だって私と碧はただの幼馴染みだけじゃなく、お互い同じ痛みを抱えているのだから…
「うわ!すごい量!!手伝うよ」
「歩未ちゃん…」
給湯室に駆け込んで来たのは、同僚の山城歩未(やましろ ふみ)。彼女とは派遣の時からの付き合いで総務にいた頃から仲良くしている。
彼女も私と同じく総務から営業に異動させられ正社員になった1人で、私からすると会社で一番信頼している子だ。歳も同じ歩未ちゃんとはプライベートでもよく会ったりする、同僚を通り越して今は親友みたいな存在。
「布巾ある?私拭くよ~」
「ありがとう」
歩未ちゃんは、上の棚から布巾を取り私が洗ったマグカップを丁寧に拭き始めた。
「さっき通りすがりに部長にお尻触られた~会社ではやめろって言ってるのに!」
プンプンと怒ってる歩未ちゃんはどこか嬉しそうでもあった。
実は彼女と営業部の岩本部長は不倫関係にあり、もう1年くらい交際は続いているらしい…といっても私がそれを知ったのはつい先日の事で、宇宙まで私の声が聞こえるんじゃないかってくらい驚いて叫んだのを覚えている。歩未ちゃんからのそのカミングアウトで、私達の仲もより深まったのではないかと今になっては思う…
まだ彼女が派遣社員だった頃、偶然にエレベーターが一緒になって話しかけられた事がきっかけで交際がスタート。もちろん歩未ちゃんも部長が結婚しているのを知っているし、お互い公認で付き合っているみたい。
会社ではベタベタしたりはしていないが、こうやって見えない所でじゃれ合い愛を育んでいる…私はそんな2人が密かに羨ましいと思っていた。
「相変わらずラブラブだね~いいなぁ」
「桜花ちゃんは彼氏いないの?」
「いないってば」
ずっとそう言ってるじゃん…
私は25年間生きてきて一度も彼氏がいた事がございません。
私はオフィスに入るなり窓際のデスクに座ってこっちを見つめる碧にすぐに気付き、驚いて持っていた荷物を床に落としてしまった…
こんな偶然ある…?そう何度繰り返し思っただろう。
現実は受け止めるしかない。それはわかっていたのだけれど、まだ営業部に来て数日…どうしてもやりきれない。
だって私と碧はただの幼馴染みだけじゃなく、お互い同じ痛みを抱えているのだから…
「うわ!すごい量!!手伝うよ」
「歩未ちゃん…」
給湯室に駆け込んで来たのは、同僚の山城歩未(やましろ ふみ)。彼女とは派遣の時からの付き合いで総務にいた頃から仲良くしている。
彼女も私と同じく総務から営業に異動させられ正社員になった1人で、私からすると会社で一番信頼している子だ。歳も同じ歩未ちゃんとはプライベートでもよく会ったりする、同僚を通り越して今は親友みたいな存在。
「布巾ある?私拭くよ~」
「ありがとう」
歩未ちゃんは、上の棚から布巾を取り私が洗ったマグカップを丁寧に拭き始めた。
「さっき通りすがりに部長にお尻触られた~会社ではやめろって言ってるのに!」
プンプンと怒ってる歩未ちゃんはどこか嬉しそうでもあった。
実は彼女と営業部の岩本部長は不倫関係にあり、もう1年くらい交際は続いているらしい…といっても私がそれを知ったのはつい先日の事で、宇宙まで私の声が聞こえるんじゃないかってくらい驚いて叫んだのを覚えている。歩未ちゃんからのそのカミングアウトで、私達の仲もより深まったのではないかと今になっては思う…
まだ彼女が派遣社員だった頃、偶然にエレベーターが一緒になって話しかけられた事がきっかけで交際がスタート。もちろん歩未ちゃんも部長が結婚しているのを知っているし、お互い公認で付き合っているみたい。
会社ではベタベタしたりはしていないが、こうやって見えない所でじゃれ合い愛を育んでいる…私はそんな2人が密かに羨ましいと思っていた。
「相変わらずラブラブだね~いいなぁ」
「桜花ちゃんは彼氏いないの?」
「いないってば」
ずっとそう言ってるじゃん…
私は25年間生きてきて一度も彼氏がいた事がございません。