幼馴染みはイジワル課長
だけど友達なら黙ってるのが一番いいってこともわかってる。歩未ちゃんのことを想うなら、今は部長のことを会話に出すことも控えた方が良さそうだ…
「この前のお礼したいから今夜ご飯でも行かない?おごるよ」
ヒソヒソと声を潜めて言う歩未ちゃんを見て、私はパッと笑顔になる。本当に元気になって良かった…部長の気持ちがどうであれ、今は歩未ちゃんが元気になってくれて嬉しいよ…
「うん、ありがとう…でもね今夜は…」
「今夜はダメだな」
え…歩未ちゃんからに夜の碧との約束の話をしようとしたら、後ろから課長の低くて厳しい声が降ってくる。
「か、課長…!」
振り返ると課長は私達のデスクの後で、書類を片手に腕を組んで眉をしかめていた。私と歩未ちゃんは慌てて席を立ち課長と向かい合わせになる。
「す、すみません!」
「仕事中なのにお喋りしちゃいました!」
私達は必死に謝ると課長はハァとひとつため息を吐く。
「…そんなことはいい。ただ今夜は澤村は残業してもらうから山城との食事はパスしてもらうぞ」
「残業…?」
そういえば…今日は仕事がたまってるって言ってたっけ?おまけに私が部長と話したあと泣いたりしたから余計だ…
「…わかりました」
「頼んだぞ。あとこれの見積もり出してくれ」
「はい」
課長は私に書類を渡すと自分のデスクに戻って行った。私と歩未ちゃんはふぅと一安心したあとそれぞれ席についた。
「びっくりしたね」
「本当に…」
心臓がバクバクいってる…まさか後ろに碧がいると思ってなかった。
「てゆーか良かったね!今夜は課長と残業なんてチャンスじゃん!!」
小声でテンション高く言う歩未ちゃんは、資料のファイルを開く。
「チャンス…?」
「そうだよ!2人で残業なんて…なんかドキドキじゃない?♪頑張ってね」
そっか…定時を過ぎても仕事しなくちゃならないけど、碧と一緒にはいられるんだよね…
残業になったから碧がうちに来ることが延期になっちゃったかもってちょっとへこんでたけど…そんな落ちることもないじゃん。
「急に緊張してきちゃった…」
私は課長から渡された資料に目を向けながらも、頭の中は「残業」の文字でいっぱいになっている。
嬉しい気持ちも大きいけどやっぱり緊張するかも…
「頑張れ桜花ちゃん!いいなぁ、好きな人と残業するとかめっちゃ胸きゅんだよね~」
羨ましそうに言う歩未ちゃんを見て心が痛む。
「せっかく食事に誘ってくれたのにごめんね…近々必ず行こうね」
「気にしないで!明日残業どうだったか聞かせてね~」
歩未ちゃんの「残業」の言い方がなんだか意味深だが、私は少し照れながら笑顔を向けた。
そして定時の時間になり、歩未ちゃんを含めた社員達が帰宅すしていく中、私はデスクにかじりつき仕事を続行。ふと課長のデスクに目をやると、課長は肘をついてパソコンで仕事をしていた。
残業ってこんな感じなんだ…人が少ないオフィスで仕事するのって変な感じがする。
しーんと静まり返ったオフィスで、私と課長のパソコンのキーの打つ音が響く。
緊張してきた…というかドキドキ?私と課長のデスク離れているのになんだかすごく近い距離にいるみたいな錯覚に陥る。
すぐ側で課長に見られているわけでもないのに、指が震えるのはなぜ…?
「澤村」
「この前のお礼したいから今夜ご飯でも行かない?おごるよ」
ヒソヒソと声を潜めて言う歩未ちゃんを見て、私はパッと笑顔になる。本当に元気になって良かった…部長の気持ちがどうであれ、今は歩未ちゃんが元気になってくれて嬉しいよ…
「うん、ありがとう…でもね今夜は…」
「今夜はダメだな」
え…歩未ちゃんからに夜の碧との約束の話をしようとしたら、後ろから課長の低くて厳しい声が降ってくる。
「か、課長…!」
振り返ると課長は私達のデスクの後で、書類を片手に腕を組んで眉をしかめていた。私と歩未ちゃんは慌てて席を立ち課長と向かい合わせになる。
「す、すみません!」
「仕事中なのにお喋りしちゃいました!」
私達は必死に謝ると課長はハァとひとつため息を吐く。
「…そんなことはいい。ただ今夜は澤村は残業してもらうから山城との食事はパスしてもらうぞ」
「残業…?」
そういえば…今日は仕事がたまってるって言ってたっけ?おまけに私が部長と話したあと泣いたりしたから余計だ…
「…わかりました」
「頼んだぞ。あとこれの見積もり出してくれ」
「はい」
課長は私に書類を渡すと自分のデスクに戻って行った。私と歩未ちゃんはふぅと一安心したあとそれぞれ席についた。
「びっくりしたね」
「本当に…」
心臓がバクバクいってる…まさか後ろに碧がいると思ってなかった。
「てゆーか良かったね!今夜は課長と残業なんてチャンスじゃん!!」
小声でテンション高く言う歩未ちゃんは、資料のファイルを開く。
「チャンス…?」
「そうだよ!2人で残業なんて…なんかドキドキじゃない?♪頑張ってね」
そっか…定時を過ぎても仕事しなくちゃならないけど、碧と一緒にはいられるんだよね…
残業になったから碧がうちに来ることが延期になっちゃったかもってちょっとへこんでたけど…そんな落ちることもないじゃん。
「急に緊張してきちゃった…」
私は課長から渡された資料に目を向けながらも、頭の中は「残業」の文字でいっぱいになっている。
嬉しい気持ちも大きいけどやっぱり緊張するかも…
「頑張れ桜花ちゃん!いいなぁ、好きな人と残業するとかめっちゃ胸きゅんだよね~」
羨ましそうに言う歩未ちゃんを見て心が痛む。
「せっかく食事に誘ってくれたのにごめんね…近々必ず行こうね」
「気にしないで!明日残業どうだったか聞かせてね~」
歩未ちゃんの「残業」の言い方がなんだか意味深だが、私は少し照れながら笑顔を向けた。
そして定時の時間になり、歩未ちゃんを含めた社員達が帰宅すしていく中、私はデスクにかじりつき仕事を続行。ふと課長のデスクに目をやると、課長は肘をついてパソコンで仕事をしていた。
残業ってこんな感じなんだ…人が少ないオフィスで仕事するのって変な感じがする。
しーんと静まり返ったオフィスで、私と課長のパソコンのキーの打つ音が響く。
緊張してきた…というかドキドキ?私と課長のデスク離れているのになんだかすごく近い距離にいるみたいな錯覚に陥る。
すぐ側で課長に見られているわけでもないのに、指が震えるのはなぜ…?
「澤村」