幼馴染みはイジワル課長
正社員として
パートナー
「……はい?すみません…もう一度言ってくれませんか?」
月曜日。買ったばかりの黒のオフィススーツを着て、栗色の肩下まである髪をサイドにまとめピンで留めちょっと気合入れてきたのに…
会社での朝礼後に部長に呼び出されて言われた言葉に、私は驚いてもう一度聞き返してしまった。
「だから…今日から真田くんの下について働いて欲しいって言ったんだ。彼のそばで動きながら仕事を学べるし時にはサポートして欲しい」
「は、はぁ…」
何で?何で私が碧と組むことに…?
前ほど気まずさはなくなったけど…それとこれとは話が別で、仕事上ではやっぱり距離を置きたいのが正直なところ…
「あの…」
「ん?」
どうしよう…部長の指示だから従うのが当たり前だよね。逆らうなんてことは出来ない…
でも、理由くらい聞いてもいいかな?
「いえ…なんでもありません…」
「そうか。詳しいことは真田くんに聞いてくれ。頼んだよ」
「はい…失礼します…」
やっぱり課長と組むことになった理由は聞けなかった…
私は自分のデスクに戻ろうとしたが、チラッと課長のデスクに目を向けた。
…とりあえず挨拶はしておいた方がいいよね?一応…これから絡むことが増えるわけだし…
私は書類に目を通す課長に近づき、ゴクリと息を飲んだあと碧のデスクの前に立って口を開いた。
「お仕事中すみません…ちょっといいですか?」
「…何だ?」
恐る恐る声をかけると、課長は書類に向けていた目をこちらにギロリと移す。私はまた息を飲み恐怖を押し殺して言う。
「あ、あの…今部長から聞いたんですけど…私…課長のサポート役になるよう事付けられまして…これからご迷惑かけると思いますけど一生懸命やるのでどうぞよろしくお願いします」
なんとか言えた…
頭を下げた状態で課長の反応を伺っていると…
「…何でお前が俺の下についたかわかるか?」
「え…」
課長の問いに私は顔を上げて、頭には何故だか「幼馴染み」というフレーズが浮かんでいた。
もしかして、私と碧が幼馴染みだからというのは関係あるのかな?
でも部長からの指示だし…私と課長の関係を知ってるはずない…
だけど心はお花畑でいっぱい。なんだかとても嬉しくなり顔なんか赤らめてしまっている始末。
ガタ…
すると、課長は椅子の背もたれに寄りかかっていた体を起こして私に少し近づいた。ドキッとしてもっと顔が赤くなっていると、碧は厳しい顔をして口を開く。
「お前が仕事が出来ないからだ」
「へ…?」
その言葉でお花畑から奈落の底に突き落とされたような気持ちになる。
月曜日。買ったばかりの黒のオフィススーツを着て、栗色の肩下まである髪をサイドにまとめピンで留めちょっと気合入れてきたのに…
会社での朝礼後に部長に呼び出されて言われた言葉に、私は驚いてもう一度聞き返してしまった。
「だから…今日から真田くんの下について働いて欲しいって言ったんだ。彼のそばで動きながら仕事を学べるし時にはサポートして欲しい」
「は、はぁ…」
何で?何で私が碧と組むことに…?
前ほど気まずさはなくなったけど…それとこれとは話が別で、仕事上ではやっぱり距離を置きたいのが正直なところ…
「あの…」
「ん?」
どうしよう…部長の指示だから従うのが当たり前だよね。逆らうなんてことは出来ない…
でも、理由くらい聞いてもいいかな?
「いえ…なんでもありません…」
「そうか。詳しいことは真田くんに聞いてくれ。頼んだよ」
「はい…失礼します…」
やっぱり課長と組むことになった理由は聞けなかった…
私は自分のデスクに戻ろうとしたが、チラッと課長のデスクに目を向けた。
…とりあえず挨拶はしておいた方がいいよね?一応…これから絡むことが増えるわけだし…
私は書類に目を通す課長に近づき、ゴクリと息を飲んだあと碧のデスクの前に立って口を開いた。
「お仕事中すみません…ちょっといいですか?」
「…何だ?」
恐る恐る声をかけると、課長は書類に向けていた目をこちらにギロリと移す。私はまた息を飲み恐怖を押し殺して言う。
「あ、あの…今部長から聞いたんですけど…私…課長のサポート役になるよう事付けられまして…これからご迷惑かけると思いますけど一生懸命やるのでどうぞよろしくお願いします」
なんとか言えた…
頭を下げた状態で課長の反応を伺っていると…
「…何でお前が俺の下についたかわかるか?」
「え…」
課長の問いに私は顔を上げて、頭には何故だか「幼馴染み」というフレーズが浮かんでいた。
もしかして、私と碧が幼馴染みだからというのは関係あるのかな?
でも部長からの指示だし…私と課長の関係を知ってるはずない…
だけど心はお花畑でいっぱい。なんだかとても嬉しくなり顔なんか赤らめてしまっている始末。
ガタ…
すると、課長は椅子の背もたれに寄りかかっていた体を起こして私に少し近づいた。ドキッとしてもっと顔が赤くなっていると、碧は厳しい顔をして口を開く。
「お前が仕事が出来ないからだ」
「へ…?」
その言葉でお花畑から奈落の底に突き落とされたような気持ちになる。