幼馴染みはイジワル課長
なんだかんだ言って、碧も会社でイチャイチャしたいのかな…?
私は大歓迎だけどさ~♪
おっと…こんなこと考えてる場合じゃないや。歩未ちゃんはどうしたかな?
私は中を伺うように女子トイレに入ると、歩未ちゃんが手洗い場で手を洗っていた。
「大丈夫…?」
「あ、桜花ちゃん…」
歩未ちゃんの顔色はさっきよりも悪く、息も荒かった。
「あのね…さっき碧と会って…早退のこと部長に言っ…」
バタンッッッ
「歩未ちゃんっ!!!」
私が話している途中で歩未ちゃんはふらっとよろけたと思ったら、その場に倒れてしまった…
「歩未ちゃん!歩未ちゃんっっ!」
トイレ内に私の声が響き、私は床に横たわる歩未ちゃんの体を何度も揺すった。
「どうしたの!?」
するとトイレを利用していた女性社員が個室から出てきて、倒れている歩未ちゃんを見てこっちに駆け寄ってきた。
「話してたら急に倒れたんです。すみませんが手を貸してください!」
「え、ええ」
先輩の女性社員は戸惑いながらも歩未ちゃんを運ぶのを手伝ってくれて、私達は歩未ちゃんの手を肩に置いてトイレを出た。
「山城っ!」
廊下からオフィスに向かっていると、部長が私達に駆け寄ってきて歩未ちゃんの顔を覗き込んだ。そして私と先輩の肩から腕を下ろすと、部長は歩未ちゃんを軽々と抱え込む。
倒れた歩未ちゃんを見て取り乱している部長の横顔…
こんなに焦っている部長は初めて見る…
部長…
もしかして碧から歩未ちゃんのことを聞いて、心配で飛んできたのかな…
「ぁ…」
心配で様子を伺うように、オフィスの入り口に碧の姿があった。
やっぱり…部長は碧に歩未ちゃんが体調悪いって聞いて飛んできたんだね…
部長のその行動と顔を見ていれば、歩未ちゃんに対する今の想いが私にだって伝わってくる…
今でも好きなんだよね…この前言ってたのは嘘じゃないんだ…
「俺が病院に連れてく」
「え…私も行きますっ!」
歩未ちゃんを抱えてエレベーターの方に走っていく部長を追い引き止めた。部長はエレベーターのボタンをイライラしたように何度も押している。
「お前は残れ…」
「でも…」
「お前は仕事をしろ。何かあったら連絡する」
部長はそう言うとちょうど来たエレベーターに乗り込み、急いでボタンを押すと扉が閉まった。
行っちゃった…
あれ以上引き止められてなかったな…
私…心の中で歩未ちゃんと部長が2人きりになればいいって思ってたのかも…
「あの2人…何か怪しくない?」
「えっ…」
近くにいた先輩が私に近づきながら、ボソッとそう言った。私はそれを聞いて慌てて否定する。
「あ、えっと…2人は遠い親戚らしくて…」
とっさに口から出てきた言葉はそれ。言ったあと「まずい」と思ったがもう遅い…
「あらそうだったの?初耳だわ」
「そうですねえ~私も最近知ったばかりで」
アハハハと笑ってこのままごまかし続けるしかない…
「とにかく…病院に行ったなら安心ね。あとは部長に任せれば大丈夫よ」
「そうですね。ありがとうございました」
私が頭を下げると、先輩は私にニコッと笑いかけてそのままオフィスに入っていった。
危ない危ない…
変な汗をかいてしまった私は、はぁとため息をついた。
「部長と山城が親戚ねぇ…」
すると入り口付近にいた碧が、先輩と入れ替わりで私のそばに来る。
「し、仕方無いでしょっ。あの時はああ言うしかなかったの!」
部長と歩未ちゃんの関係が社内にバレたら、それこそ大問題だもん。
当然部長はそれをわかってるはずだけど、さっきは取り乱してそれすら忘れていたよね…
私は大歓迎だけどさ~♪
おっと…こんなこと考えてる場合じゃないや。歩未ちゃんはどうしたかな?
私は中を伺うように女子トイレに入ると、歩未ちゃんが手洗い場で手を洗っていた。
「大丈夫…?」
「あ、桜花ちゃん…」
歩未ちゃんの顔色はさっきよりも悪く、息も荒かった。
「あのね…さっき碧と会って…早退のこと部長に言っ…」
バタンッッッ
「歩未ちゃんっ!!!」
私が話している途中で歩未ちゃんはふらっとよろけたと思ったら、その場に倒れてしまった…
「歩未ちゃん!歩未ちゃんっっ!」
トイレ内に私の声が響き、私は床に横たわる歩未ちゃんの体を何度も揺すった。
「どうしたの!?」
するとトイレを利用していた女性社員が個室から出てきて、倒れている歩未ちゃんを見てこっちに駆け寄ってきた。
「話してたら急に倒れたんです。すみませんが手を貸してください!」
「え、ええ」
先輩の女性社員は戸惑いながらも歩未ちゃんを運ぶのを手伝ってくれて、私達は歩未ちゃんの手を肩に置いてトイレを出た。
「山城っ!」
廊下からオフィスに向かっていると、部長が私達に駆け寄ってきて歩未ちゃんの顔を覗き込んだ。そして私と先輩の肩から腕を下ろすと、部長は歩未ちゃんを軽々と抱え込む。
倒れた歩未ちゃんを見て取り乱している部長の横顔…
こんなに焦っている部長は初めて見る…
部長…
もしかして碧から歩未ちゃんのことを聞いて、心配で飛んできたのかな…
「ぁ…」
心配で様子を伺うように、オフィスの入り口に碧の姿があった。
やっぱり…部長は碧に歩未ちゃんが体調悪いって聞いて飛んできたんだね…
部長のその行動と顔を見ていれば、歩未ちゃんに対する今の想いが私にだって伝わってくる…
今でも好きなんだよね…この前言ってたのは嘘じゃないんだ…
「俺が病院に連れてく」
「え…私も行きますっ!」
歩未ちゃんを抱えてエレベーターの方に走っていく部長を追い引き止めた。部長はエレベーターのボタンをイライラしたように何度も押している。
「お前は残れ…」
「でも…」
「お前は仕事をしろ。何かあったら連絡する」
部長はそう言うとちょうど来たエレベーターに乗り込み、急いでボタンを押すと扉が閉まった。
行っちゃった…
あれ以上引き止められてなかったな…
私…心の中で歩未ちゃんと部長が2人きりになればいいって思ってたのかも…
「あの2人…何か怪しくない?」
「えっ…」
近くにいた先輩が私に近づきながら、ボソッとそう言った。私はそれを聞いて慌てて否定する。
「あ、えっと…2人は遠い親戚らしくて…」
とっさに口から出てきた言葉はそれ。言ったあと「まずい」と思ったがもう遅い…
「あらそうだったの?初耳だわ」
「そうですねえ~私も最近知ったばかりで」
アハハハと笑ってこのままごまかし続けるしかない…
「とにかく…病院に行ったなら安心ね。あとは部長に任せれば大丈夫よ」
「そうですね。ありがとうございました」
私が頭を下げると、先輩は私にニコッと笑いかけてそのままオフィスに入っていった。
危ない危ない…
変な汗をかいてしまった私は、はぁとため息をついた。
「部長と山城が親戚ねぇ…」
すると入り口付近にいた碧が、先輩と入れ替わりで私のそばに来る。
「し、仕方無いでしょっ。あの時はああ言うしかなかったの!」
部長と歩未ちゃんの関係が社内にバレたら、それこそ大問題だもん。
当然部長はそれをわかってるはずだけど、さっきは取り乱してそれすら忘れていたよね…