幼馴染みはイジワル課長
「敬語で話さなくてもいいだろ」
ネクタイを緩めながら苦笑いをして、ワイシャツの一番上のボタンを開ける碧。
「ダメダメ!どんな時でも気を抜かないようにっ」
「はいはい」
適当にあしらうように言う碧は、私よりも先にスタスタと歩き始めた。
「ちょっ、待ってよ~」
小走りで碧を追いかけて、私達は駅の方に歩き電車に乗って地元へ帰って来た。
「さぁさ~今日はいっぱい飲めよ♪俺のおごりだからね」
今日は仕事帰りに碧の友達の貴文さんが営むBARに、久しぶりに立ち寄った。
私達が店に入るなり、貴文さんは一気にテンションが上がり頼んでもいない料理やお酒を出してくれた。
「お肉食べる?」
「ああ」
牛肉のワイン煮をナイフで切り分けて小皿に乗せて碧に出すと、近くからものすごい熱い視線を感じる。
するとカウンターに肘をついた貴文かんが、私と碧をニヤニヤしながら見つめていた…
「…んだよ」
「聞いたよ~桜花ちゃんと付き合ったんだってねえ♪」
「…」
ぐふふふと笑う貴文さんの言葉に、私は思わず顔を赤くした。
「な、なんでそれを…?」
碧が貴文さんに言ったの?
2人は昔からの友達だけど、碧はそういうの自分から言う性格じゃないと思うけどなぁ。
「地元の仲間中の噂だよ!?2人で手繋いでる所見たヤツもいるし、この前は大きい荷物持って出掛ける所を目撃した友達もいたってよ」
「えー…!」
なにそれ…
碧って地元の友達の中だと、まるで芸能人みたいに追っかけられてるの…?
色んな意味ですごいな。
「そういうのやめろって言っただろ…聞きたい事があれば直接聞いてこいよ」
「聞いたってお前は教えてくれないから、そうするしかねえーんだよ!こっちも結婚大変なんだからなっ」
貴文さんは目をうるうると潤ませながら、ワインを飲む碧を見つめた。
なるほどね。
貴文さんの言うことはなんとなくわかるなぁ…
今は私と付き合ってるからまだ話してくれる方だけど、最近までは碧は何考えてるかわからなかった。
「私は2人は絶対に付き合うって思ってたけどね♪」
貴文さんの奥さんの薫さんが、食器を片付けながら私を見てウィンクしてくる。
「そ、そうですか…」
「うん!お互いが想い合ってるっていうのは見ててわかったもん。あとは時間の問題だなって」
全部お見通しってわけか…確かに初めてここに来た日から、碧と付き合ったのってそんなに経ってなかった気がする。
「その話はもういいだろ」
自分の話をするのが苦手な碧は、そう言って空になったワイングラスをカウンターに置いた。
「いいじゃん!2人のこともっと聞かせてよ!今日は俺がおごるからさ」
「お前におごられたくなんかねえよ」
「なんでだよー」
碧の辛口発言が飛び交う中、私は貴文さんと話す碧の横顔を眺めていた。
いつもよりよく喋る碧は、やっぱり昔からの友達に会えて嬉しいんだなと思う…
こんな碧を見ることは滅多にないし、私まで嬉しくなってくるよ。
「ごちそうさまでした」
「またな貴文」
一時間後。1、2杯飲んで軽くご飯を食べたあと、私達は貴文さんのBARを出た。
時刻はまだ8時になったばかり…
「ちょっと家に寄ってけば?」
「うん…」
私と碧は自然に手をつないで指を絡ませると、タクシーに乗り込んで碧の家に向かう。
「ぁ、……ぅん」
家に入るなり、碧はすぐに私を求めてリビングのソファーに押し倒してキスをした。
「シャ、シャワー浴びさせて…」
「いいよそんなの」
「っ…」
キスをしながら私のスーツを脱がすと、片手でYシャツのボタンを外して上半身裸になる碧…
「好きだよ桜花」
会社とは全然違う。
碧はすごく優しい…
こんなふうに求められたら…離れられないよ…
もっともっと碧の事が好きになる…
本当に幸せ。
もう何もいらないよ…
数日後
「一人暮らし?」
ネクタイを緩めながら苦笑いをして、ワイシャツの一番上のボタンを開ける碧。
「ダメダメ!どんな時でも気を抜かないようにっ」
「はいはい」
適当にあしらうように言う碧は、私よりも先にスタスタと歩き始めた。
「ちょっ、待ってよ~」
小走りで碧を追いかけて、私達は駅の方に歩き電車に乗って地元へ帰って来た。
「さぁさ~今日はいっぱい飲めよ♪俺のおごりだからね」
今日は仕事帰りに碧の友達の貴文さんが営むBARに、久しぶりに立ち寄った。
私達が店に入るなり、貴文さんは一気にテンションが上がり頼んでもいない料理やお酒を出してくれた。
「お肉食べる?」
「ああ」
牛肉のワイン煮をナイフで切り分けて小皿に乗せて碧に出すと、近くからものすごい熱い視線を感じる。
するとカウンターに肘をついた貴文かんが、私と碧をニヤニヤしながら見つめていた…
「…んだよ」
「聞いたよ~桜花ちゃんと付き合ったんだってねえ♪」
「…」
ぐふふふと笑う貴文さんの言葉に、私は思わず顔を赤くした。
「な、なんでそれを…?」
碧が貴文さんに言ったの?
2人は昔からの友達だけど、碧はそういうの自分から言う性格じゃないと思うけどなぁ。
「地元の仲間中の噂だよ!?2人で手繋いでる所見たヤツもいるし、この前は大きい荷物持って出掛ける所を目撃した友達もいたってよ」
「えー…!」
なにそれ…
碧って地元の友達の中だと、まるで芸能人みたいに追っかけられてるの…?
色んな意味ですごいな。
「そういうのやめろって言っただろ…聞きたい事があれば直接聞いてこいよ」
「聞いたってお前は教えてくれないから、そうするしかねえーんだよ!こっちも結婚大変なんだからなっ」
貴文さんは目をうるうると潤ませながら、ワインを飲む碧を見つめた。
なるほどね。
貴文さんの言うことはなんとなくわかるなぁ…
今は私と付き合ってるからまだ話してくれる方だけど、最近までは碧は何考えてるかわからなかった。
「私は2人は絶対に付き合うって思ってたけどね♪」
貴文さんの奥さんの薫さんが、食器を片付けながら私を見てウィンクしてくる。
「そ、そうですか…」
「うん!お互いが想い合ってるっていうのは見ててわかったもん。あとは時間の問題だなって」
全部お見通しってわけか…確かに初めてここに来た日から、碧と付き合ったのってそんなに経ってなかった気がする。
「その話はもういいだろ」
自分の話をするのが苦手な碧は、そう言って空になったワイングラスをカウンターに置いた。
「いいじゃん!2人のこともっと聞かせてよ!今日は俺がおごるからさ」
「お前におごられたくなんかねえよ」
「なんでだよー」
碧の辛口発言が飛び交う中、私は貴文さんと話す碧の横顔を眺めていた。
いつもよりよく喋る碧は、やっぱり昔からの友達に会えて嬉しいんだなと思う…
こんな碧を見ることは滅多にないし、私まで嬉しくなってくるよ。
「ごちそうさまでした」
「またな貴文」
一時間後。1、2杯飲んで軽くご飯を食べたあと、私達は貴文さんのBARを出た。
時刻はまだ8時になったばかり…
「ちょっと家に寄ってけば?」
「うん…」
私と碧は自然に手をつないで指を絡ませると、タクシーに乗り込んで碧の家に向かう。
「ぁ、……ぅん」
家に入るなり、碧はすぐに私を求めてリビングのソファーに押し倒してキスをした。
「シャ、シャワー浴びさせて…」
「いいよそんなの」
「っ…」
キスをしながら私のスーツを脱がすと、片手でYシャツのボタンを外して上半身裸になる碧…
「好きだよ桜花」
会社とは全然違う。
碧はすごく優しい…
こんなふうに求められたら…離れられないよ…
もっともっと碧の事が好きになる…
本当に幸せ。
もう何もいらないよ…
数日後
「一人暮らし?」