危険なお見合い
スウィーツ王子の誘惑
優理香の最近の人気コラムで、都会の有名なホテル内やその近隣にある有名スウィーツの店の情報を盛り込んであるのは女性読者にとても人気があるらしく、今は連載化しているとのことだった。
同じ店でも季節によっておすすめやキャンペーンなどもあるので、その紹介も店の方からリクエストがくるくらいなのだそうだ。
今日まわるのは4店舗だったが3店舗はホテル内にある店だったので、スムーズに取材することができた。
しかし最後の1店舗は知る人ぞ知る・・・に近い女性だけでなく男性客も多いという店だった。
「さて・・・もう一段落してるかしらねぇ。」
「どうかな・・・これから夜の方が多いかもしれないな。」
「凌路さん、このフリージアって店知ってるの?」
「うん・・・まぁな・・。(秘書にいってここで俺と弟の彼女に手切れ用のプレゼント渡してたなんて言えないよな。)」
優理香はフリージアの店長と挨拶をかわしてから、今、人気のスウィーツと次のおすすめを用意してもらっていた。
「一番混んでるときって、席があいてないってきいてたけど、ちょうどすいてる時間でよかったわ。」
「店の全体の感じは混んでる方がいいと思うんだけど・・・」
「そうね。ただ、私は店長にお話をきくことが多いから、あまりに忙しいと申し訳ないしね。」
「なるほど・・・ただの情報誌の記事じゃないってとこだね。」
商品の写真や記事の相談をして、凌路は店の様子を写真に撮ることにして、優理香は引き続き、店長に取材をしていた。
しばらくして、店長にべつの取材の客が声をかけてきた。
「まだ、取材中ですか?」
「あ、すみません・・・あと15分ほどで終わる予定なんですけど・・・。」
「そうですか。じゃ、それまで待っていますので。」
店長に声をかけた客はなんとなく見覚えがある・・・!
優理香は話をしていた店長に、何気なく尋ねてみた。
「今のって・・・スウィーツ王子って呼ばれてる?」
「そうですよ、桧垣さんです。
今日はこれ終わったら桧垣さんとの対談が入ってましてね。」
「なるほど・・・あの、おじゃまじゃなかったら見せていただいてかまいませんか?」
「桧垣さんがかまわないなら、私はかまいませんが・・・。」
「じゃあ桧垣さんにきいてみますね。
で、最後の質問なんですけど、ズバリこの店の人気の秘密って何だと思いますか?」
「う~ん・・・作ってる側はよくわからないんです。
おすすめっていってもぜんぜんウケないことも多いですしね。
でも、スウィーツ王子の桧垣さんの話によると、うちの店は女性の悲しさ、むなしさをなごませるメニューなんだそうですよ。」
「へぇ・・・悲しさやむなしさ・・・やっぱり失恋の痛手とかですか?」
「ええ、主にそうでしょうね。
ひどい男になると、別れるときにアクセサリーなどのプレゼントといっしょにうちのスウィーツをプレゼントしたりするそうなんですよ。
話だけきくと、悲しくなっちゃいますよね。
元気な女性がより元気になってくれたら・・・みたいな気分で提供してるのに、別れのプレゼントに利用するだなんてね。
でも、そういう落ち込んだ女性が元気になってくれるならいいか・・・って最近は思ってます。」
「そうですよね。作って提供している側はどういう人にも同じ心で接するんですものね。」
「ええ、まごころこめてがモットーですから。」
同じ店でも季節によっておすすめやキャンペーンなどもあるので、その紹介も店の方からリクエストがくるくらいなのだそうだ。
今日まわるのは4店舗だったが3店舗はホテル内にある店だったので、スムーズに取材することができた。
しかし最後の1店舗は知る人ぞ知る・・・に近い女性だけでなく男性客も多いという店だった。
「さて・・・もう一段落してるかしらねぇ。」
「どうかな・・・これから夜の方が多いかもしれないな。」
「凌路さん、このフリージアって店知ってるの?」
「うん・・・まぁな・・。(秘書にいってここで俺と弟の彼女に手切れ用のプレゼント渡してたなんて言えないよな。)」
優理香はフリージアの店長と挨拶をかわしてから、今、人気のスウィーツと次のおすすめを用意してもらっていた。
「一番混んでるときって、席があいてないってきいてたけど、ちょうどすいてる時間でよかったわ。」
「店の全体の感じは混んでる方がいいと思うんだけど・・・」
「そうね。ただ、私は店長にお話をきくことが多いから、あまりに忙しいと申し訳ないしね。」
「なるほど・・・ただの情報誌の記事じゃないってとこだね。」
商品の写真や記事の相談をして、凌路は店の様子を写真に撮ることにして、優理香は引き続き、店長に取材をしていた。
しばらくして、店長にべつの取材の客が声をかけてきた。
「まだ、取材中ですか?」
「あ、すみません・・・あと15分ほどで終わる予定なんですけど・・・。」
「そうですか。じゃ、それまで待っていますので。」
店長に声をかけた客はなんとなく見覚えがある・・・!
優理香は話をしていた店長に、何気なく尋ねてみた。
「今のって・・・スウィーツ王子って呼ばれてる?」
「そうですよ、桧垣さんです。
今日はこれ終わったら桧垣さんとの対談が入ってましてね。」
「なるほど・・・あの、おじゃまじゃなかったら見せていただいてかまいませんか?」
「桧垣さんがかまわないなら、私はかまいませんが・・・。」
「じゃあ桧垣さんにきいてみますね。
で、最後の質問なんですけど、ズバリこの店の人気の秘密って何だと思いますか?」
「う~ん・・・作ってる側はよくわからないんです。
おすすめっていってもぜんぜんウケないことも多いですしね。
でも、スウィーツ王子の桧垣さんの話によると、うちの店は女性の悲しさ、むなしさをなごませるメニューなんだそうですよ。」
「へぇ・・・悲しさやむなしさ・・・やっぱり失恋の痛手とかですか?」
「ええ、主にそうでしょうね。
ひどい男になると、別れるときにアクセサリーなどのプレゼントといっしょにうちのスウィーツをプレゼントしたりするそうなんですよ。
話だけきくと、悲しくなっちゃいますよね。
元気な女性がより元気になってくれたら・・・みたいな気分で提供してるのに、別れのプレゼントに利用するだなんてね。
でも、そういう落ち込んだ女性が元気になってくれるならいいか・・・って最近は思ってます。」
「そうですよね。作って提供している側はどういう人にも同じ心で接するんですものね。」
「ええ、まごころこめてがモットーですから。」