危険なお見合い
事務所に帰る途中、凌路は車を運転しながら桧垣のことを話した。
「桧垣紗緒の言葉は妙に含みがあるから気を付けた方がいい。」
「含み?べつにそんなことは感じなかったけど。」
「スウィーツ王子はただ、甘いもの好きのイケメンなわけじゃない。
俺の記憶が確かならだが・・・取材して弱みをつかんだ女を好きにするヤツだ。
そして捨てられた女はフリージアにたどり着く。
俺が以前、面接した女性の中に被害者がいたんだ。」
「そう・・・。
私の弱みを掴んだからって私は王子の言うとおりなんてならないわ。」
「そうだね。未遂だったんだし、襲った張本人がそばにいれば普通はどうしたんだろう?
よりをもどしたのか・・・くらいに思うだろうな。」
「そうね。」
凌路は写真室に入って仕事。
優理香は自宅にもどって文章を仕上げることにした。
その週はとくに大きな取材もなく、近場の宿の紹介を2件ほど取材した。
スウィーツ王子の番組出演の2日前、凌路に会ってほしい人物が近くにきていると優理香は車に乗ったまま連れていかれたところはホテルタナサキ本社の社長室だった。
「まさか・・・でも・・・どうして?」
社長室に入るなり、優理香に握手をしてくる男性がいた。
「ひさしぶり!優理香ちゃん。
ああ、握手しても大丈夫だぁ。
ごめんよぉ。僕が兄さんにきちんと説明しておけば、君に恐怖を与えずに済んだのに・・・。ごめん。」
「凌太さん・・・?」
「うん、僕もどれだけ君に謝りたかったか・・・。
彩加ちゃんが仲良くしてくれるのをいいことに、僕はあまえていたんだ。
本当は父さんたちの遺産を使い込んだのも、親がいなくなったショックでギャンブルに手を出してしまったんだ。
それを彩加ちゃんのせいにして・・・。
彩加ちゃんだったら自由奔放だから許してくれるだろう・・・なんて勝手なことを考えてしまった。
そしたら、兄さんが君を・・・そんな大変なことになるなんて僕は考えてなかった。
ほんとに申し訳ありませんでした。」
「もう、いいの。
凌路さんからも説明と謝罪してもらって、事情はわかったから。」
「ありがとう。
君たちの家でもある名郷観光ホテルに温泉が出なくなって、ホテルがなくなり、ご両親も亡くなったときいたときは僕たちもどうしたものか・・・悲しかったよ。
だけど、君は今や大人気の旅行ライターで成功したとわかって、今はとてもうれしいんだ。
まさか、兄さんが若い時に凝っていたカメラをまたいじっているとは知らなかったけどね。」
「しっ!そこから先は何も言うなよ。」
凌路が凌太にこっそり伝えていた。
凌太は笑いながら、優理香に簡単な夕食会をしたいと申し出ると、ホテルの最上階の眺めのいいレストランでの個室を用意した。
そして、そこで凌路と凌太・・・そして優理香と3人でワインで乾杯をした。
「桧垣紗緒の言葉は妙に含みがあるから気を付けた方がいい。」
「含み?べつにそんなことは感じなかったけど。」
「スウィーツ王子はただ、甘いもの好きのイケメンなわけじゃない。
俺の記憶が確かならだが・・・取材して弱みをつかんだ女を好きにするヤツだ。
そして捨てられた女はフリージアにたどり着く。
俺が以前、面接した女性の中に被害者がいたんだ。」
「そう・・・。
私の弱みを掴んだからって私は王子の言うとおりなんてならないわ。」
「そうだね。未遂だったんだし、襲った張本人がそばにいれば普通はどうしたんだろう?
よりをもどしたのか・・・くらいに思うだろうな。」
「そうね。」
凌路は写真室に入って仕事。
優理香は自宅にもどって文章を仕上げることにした。
その週はとくに大きな取材もなく、近場の宿の紹介を2件ほど取材した。
スウィーツ王子の番組出演の2日前、凌路に会ってほしい人物が近くにきていると優理香は車に乗ったまま連れていかれたところはホテルタナサキ本社の社長室だった。
「まさか・・・でも・・・どうして?」
社長室に入るなり、優理香に握手をしてくる男性がいた。
「ひさしぶり!優理香ちゃん。
ああ、握手しても大丈夫だぁ。
ごめんよぉ。僕が兄さんにきちんと説明しておけば、君に恐怖を与えずに済んだのに・・・。ごめん。」
「凌太さん・・・?」
「うん、僕もどれだけ君に謝りたかったか・・・。
彩加ちゃんが仲良くしてくれるのをいいことに、僕はあまえていたんだ。
本当は父さんたちの遺産を使い込んだのも、親がいなくなったショックでギャンブルに手を出してしまったんだ。
それを彩加ちゃんのせいにして・・・。
彩加ちゃんだったら自由奔放だから許してくれるだろう・・・なんて勝手なことを考えてしまった。
そしたら、兄さんが君を・・・そんな大変なことになるなんて僕は考えてなかった。
ほんとに申し訳ありませんでした。」
「もう、いいの。
凌路さんからも説明と謝罪してもらって、事情はわかったから。」
「ありがとう。
君たちの家でもある名郷観光ホテルに温泉が出なくなって、ホテルがなくなり、ご両親も亡くなったときいたときは僕たちもどうしたものか・・・悲しかったよ。
だけど、君は今や大人気の旅行ライターで成功したとわかって、今はとてもうれしいんだ。
まさか、兄さんが若い時に凝っていたカメラをまたいじっているとは知らなかったけどね。」
「しっ!そこから先は何も言うなよ。」
凌路が凌太にこっそり伝えていた。
凌太は笑いながら、優理香に簡単な夕食会をしたいと申し出ると、ホテルの最上階の眺めのいいレストランでの個室を用意した。
そして、そこで凌路と凌太・・・そして優理香と3人でワインで乾杯をした。