危険なお見合い
優理香はちょっとすねたような表情をして、顔を背けた。

すると、凌路は優理香の腕を引っ張って強く抱きしめた。


「ごめん。俺が言い方が悪かった。
やってほしいことはたくさんあるんだ。

ただ、君の体のことを考えると細かい仕事はストレスになるんじゃないかと・・・。
それに、もう俺は便宜上の夫ではいられない。
怖がらないでほしい・・・俺は君が好きだ。
好きだから、苦しいんだ。

怖がらせたくないのに、こんなことを・・・考えてしまうなんて。」


凌路は優理香の唇に強くキスをした。
優理香は一瞬、怖いと思ったが凌路が自分に対してすごく気遣ってくれているのがわかるのと、昔誤解されて押し倒されたのとは違って、唇から凌路の愛情が伝わってくることに自然と身をまかせてしまう。


「わ、私・・・こんなに長いキスができたなんて・・・。」


「優理香・・・君はもしかして・・・もしかして俺を。」


「好き。でも、この先は自分に自信がないの。
だから・・・凌路さんを不愉快にしちゃうかもしれない。」


「こんなに震えて・・・いいんだ。
君の気持ちをきけただけでも、俺はうれしいよ。
無理に結婚までもちこんで、そのうえ君に拒絶されたら・・・って思うとつらかったからね。

けど、キスまでしてもらえたんだから感激だ。
今までの君なら俺は突き飛ばされていただろうからね。
今は十分だ。ただ・・・夜になったら君がほしくなってしまうかもしれない。」


「そ、それは・・・できればもう少し、待って。
私もこれからは真剣に努力してみるから・・・あの・・・。
きゃぁ!」


「ほんとに真面目でかわいいんだから!
わかった。待つよ。
でも、これからはここまではいいだろう?」


凌路は優理香を再び強く抱きしめ、何度となくキスを浴びせてくる。


「あぅ・・・。」


「ふふっ、調理場もいい場所だな。
俺にとって美味いもんにありつける。
優理香・・・俺はもう遠慮しないぞ。いいね。」


「凌路さんったら・・・ふふ。(なんか私もうれしくなる。すごく苦手だとばかり思っていたのに。
それに凌路さんがほんとに私のことを好きと言ってくれた。
だからなの・・・すごくうれしい。)」
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