危険なお見合い
傷を負った2人
招待状をそれぞれの知り合いや利用客の名簿から作成して送付し、パーティースタッフとして棚崎凌太とホテルのイベントスタッフ20名が手伝ってくれることになった。


「なんかスタッフまで来てもらって凌太さんのホテルの方は大丈夫なの?」


「20名程度で大丈夫かなんて・・・不思議なことを言うね。
ホテルのイベントでもけっこう動くスタッフは応援にまわってるんだよ。
それにうちのホテルは全国チェーンってわけでもないからね。

比較的近い距離で動いているだけだし、無理はないよ。
君は、スタッフの人数よりも招待客がどのくらい来るのかが気になるんじゃないのかい?」



「えへへ・・・じつはね。
だって、私はそんな知り合いなんて学生していた頃とかちょっと働いていた頃の知り合いしかいないんですもの。

それで凌路さんに気まずい思いをさせてしまうんじゃないかと思って。」


「ほとんどは会社関係だから、気にしなくていいよ。
それに、君はここを利用しているお客様のアイドルじゃないか。
みんな楽しみだっていってくれてるし、応援もしてくれてる。
それがいちばんじゃないかな?」


「そうね。いつものおじいちゃん、おばあちゃんがいっぱい笑ってくれたらそれでいいわよね。
うん、私の強い味方だもん。
よぉーし、がんばるぞぉ!」


「そういえば・・・昨日から夜遅くまで何か書いてるみたいだけど、何してたんだ?」


「このあたりの名産とか見どころとか、温泉群や秘湯とか、ちっちゃいけれどいいお店とかまとめてたのよ。
私、自分で療養しながら、足をのばして、歩いていろいろなところを見つけたの?

そしてお店でまた地元の人でさえも知る人ぞ知るってとことか教えてもらってね。」


「へぇ・・・こっそり仕事してたのかぁ。
あっ、カメラマンは?」


「私よ。」


「なんで言ってくれなかったんだ!水くさいだろう?」


「だめよ、男子禁制のところが多いんだもん。」


「へっ?そ、そうなのかい?」


「そうよ、私しか行けないところがほとんどよ。
でもエロくないから大丈夫よ。」


「あ、あたりまえだ!君のそんな格好を発売させたりしない。」


「凌路さん・・・ったら・・・。
そんな・・・うれしいこと。
あ~、今日も仕事仕事!」


「優理香!あんなに真っ赤になって仕事って・・・くくっ、ほんとにかわいいな。
(ほんとは現場スタッフと同じ仕事させたくなかったんだけどなぁ。
俺といっしょに・・・いや、療養優先だから仕方ないか。
終わるころにいっしょに働いてくれるかきいてみよう。)」
< 28 / 41 >

この作品をシェア

pagetop