危険なお見合い
そんな話が叔母の美沙子と凌路の間でされていたとも知らずに、予定時間よりも10分ほど遅れて優理香は到着した。
「叔母さん、遅れちゃってごめんなさい。
写真をとってたカメラマンさんの奥さんが急病で、まだ現像してなくて・・・。」
「仕事のことはいいから、早く着物に着替えなさい。
先方はお待ちなんだから!」
「だって、私はべつに了解なんてしてないし、第一相手の名前も知らないのよ。」
「会えばわかるからいいのよ。」
「私の知ってる人なの?」
「いいから、すぐに用意なさい!」
「もう、誰なのよ・・・どうせ、だめになるのに・・・。」
「なんでやってもいないのにダメなんていってるの?
あんただって、子どもが欲しいと思った頃には産めない体になってしまったなんて困るでしょ。
私みたいになりたいの?」
「あ・・・ごめんなさい。
美沙子おばさんが私のことを心配してくれてるのはよくわかってるの。
でも、付き合うとだめになっちゃうのよ。」
「いいから、あなた自身で、ダメになる糸口を切ってきなさい!」
「えっ?」
優理香は美沙子に引っ張られるようにして、お見合いの席に座った。
目の前に堂々とした力強い男性が座っている。
少し怖い印象すらしているが、優理香の方を見て微笑んでいた。
(あれ・・・私の方を見て笑った?
私のことを知っているの?
でも・・・この人どっかで・・・みたような・・・?)
「こんばんわ。棚崎凌路です。
はじめましてではないですね。」
「えっ・・・たなさき・・・棚崎・・・凌路って・・・凌太の兄の・・・。
私を・・・襲ったあいつ・・・まさか・・・!」
「そう、君のお姉さんと間違えて君を襲ってしまった、君の仇だ。」
「な、何しにきたのよ!」
「お見合いだが・・・?」
「いったい、いったいどういうことなの。
叔母さん!!!あれ?いない・・・?」
美沙子はいつのまにか部屋から消えていた。
「ウソっ!・・・誰か・・・!」
部屋を出ていこうとする優理香に凌路はぐっと腕を引っ張って、優理香を抱きしめた。
「い、いやあ!!!やめてよ。もう・・・もうやめてください!
誰か、誰か・・・たすけ・・・。」
「君、しっかりするんだ。
おい、どうして・・・どうしてそんな・・・。
ごめん、みんな俺が悪いんだね。
頼むから、目を覚ましてくれっ!」
20分ほどして優理香が目を覚ますと、優理香は凌路の膝枕で寝ころんでいた。
「あっ!・・・いたた・・・」
「長い間、君を苦しめてきて本当に申し訳ございませんでした。
何も申し開きもできないのはわかっています。
なんで、こんなに遅くに謝罪にきたか叱られるのも覚悟しています。
とにかく、きちんと君に謝罪したかったんです。
本当に申し訳ない。すみませんでした。」
「叔母さん、遅れちゃってごめんなさい。
写真をとってたカメラマンさんの奥さんが急病で、まだ現像してなくて・・・。」
「仕事のことはいいから、早く着物に着替えなさい。
先方はお待ちなんだから!」
「だって、私はべつに了解なんてしてないし、第一相手の名前も知らないのよ。」
「会えばわかるからいいのよ。」
「私の知ってる人なの?」
「いいから、すぐに用意なさい!」
「もう、誰なのよ・・・どうせ、だめになるのに・・・。」
「なんでやってもいないのにダメなんていってるの?
あんただって、子どもが欲しいと思った頃には産めない体になってしまったなんて困るでしょ。
私みたいになりたいの?」
「あ・・・ごめんなさい。
美沙子おばさんが私のことを心配してくれてるのはよくわかってるの。
でも、付き合うとだめになっちゃうのよ。」
「いいから、あなた自身で、ダメになる糸口を切ってきなさい!」
「えっ?」
優理香は美沙子に引っ張られるようにして、お見合いの席に座った。
目の前に堂々とした力強い男性が座っている。
少し怖い印象すらしているが、優理香の方を見て微笑んでいた。
(あれ・・・私の方を見て笑った?
私のことを知っているの?
でも・・・この人どっかで・・・みたような・・・?)
「こんばんわ。棚崎凌路です。
はじめましてではないですね。」
「えっ・・・たなさき・・・棚崎・・・凌路って・・・凌太の兄の・・・。
私を・・・襲ったあいつ・・・まさか・・・!」
「そう、君のお姉さんと間違えて君を襲ってしまった、君の仇だ。」
「な、何しにきたのよ!」
「お見合いだが・・・?」
「いったい、いったいどういうことなの。
叔母さん!!!あれ?いない・・・?」
美沙子はいつのまにか部屋から消えていた。
「ウソっ!・・・誰か・・・!」
部屋を出ていこうとする優理香に凌路はぐっと腕を引っ張って、優理香を抱きしめた。
「い、いやあ!!!やめてよ。もう・・・もうやめてください!
誰か、誰か・・・たすけ・・・。」
「君、しっかりするんだ。
おい、どうして・・・どうしてそんな・・・。
ごめん、みんな俺が悪いんだね。
頼むから、目を覚ましてくれっ!」
20分ほどして優理香が目を覚ますと、優理香は凌路の膝枕で寝ころんでいた。
「あっ!・・・いたた・・・」
「長い間、君を苦しめてきて本当に申し訳ございませんでした。
何も申し開きもできないのはわかっています。
なんで、こんなに遅くに謝罪にきたか叱られるのも覚悟しています。
とにかく、きちんと君に謝罪したかったんです。
本当に申し訳ない。すみませんでした。」