カラダだけの関係~冷血上司の惑わしの束縛~
和気藹々と宴会が進んで二次会のカラオケに向かう人達も出て来る。


久保田さんが魚介類の旨みエキスを吸ったダシの中にご飯を入れて、締めのおじやまで作ってくれた。


私は満腹で思わず口許から欠伸が漏れる。


「部長はどうします?俺…葛原部長にカラオケに誘われたんですけど・・・」


「そうか…俺は行かない。今夜は無礼講、楽しんで来い!久保田」


「はい、ではお先に失礼しまーす!!」


久保田さんも二次会のカラオケに行ってしまった。


仲居さんが片づけを始める。


残された私と悠来は二人で宴会場を出た。


「部長はカラオケ行かないんですか?」


「カラオケは苦手だ・・・」


二人で廊下を歩き、全面硝子の前を通った。


夜の闇で絶景に見える相模湾の景色も全く見えない。



硝子に映るのは私と悠来の姿。






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