Dance in the Mood
「ま、いいよ!!トモヤ、運転よろしく♪ナビゲーターアヤ、頼んだ!!」

ワーイと、勝手に後部座席に乗り込む。気弱で真面目なトモヤは車の幅がわかんないだのなんだのぶつくさ言っていたけれど、なんだかんだ運転を始めた。

「で、どっち進むの?」

トモヤの問いにユウダイ、私、ミナミ、ユウキが順番に答える。

「波の音がする方。」
「塩の香りがする方。」
「むしろ宛てもなく?」
「いや、ハンドルのおもむくままに!!」

打ち合わせしていたかのようにポンポンでてくる。

トモヤはとりあえず東へ向かって車を出しながら言った。

「…って俺は気ままな海賊じゃないからね。」

海賊という言葉にまたスイッチが入る。

「俺、麦ワラ!!」
「じゃぁセクシー航海士」
「あたしトナカイ!」
「俺コック!!」


笑って騒ぐ私達にアヤが溜め息のようにバカ、と小さく溜め息をついて笑った。

「てか、スズは海図士というよりもはやジャイアン?」

番組変わってるだろとかなんとか騒ぐ。賑かなバスの中で、ユウダイの麦ワラ海賊ははまりやくだと思った。

海に思いをはせて私達は窓を全開にして大声で歌いながら移動した。
(迷惑行為はだめです。)
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