Dance in the Mood
「今日タイシ君は?」

アヤが尋ねた。
大学に入ってからタイシとユウダイはいつもセットだからユウダイに尋ねたのだろう。

「タイシ体調悪いって、な、スズ。」
「ただの風邪でしょ。」

ユウダイが質問しながら私の隣に腰掛けた。ユウダイはふと見るとかっこいい部類だけれど、近くで見れば見るほどヒゲや服が小汚い。

「冷たいなぁ、タイシの彼女だろ、お前。」
「あぁ…まぁ。」

なんだそれ、と、ユウダイとアヤが笑う。


タイシと付き合い始めて三ヶ月、タイシはいいやつ。顔もかっこいい…っていうかかわいい系。柴犬みたいなやつ。優しいし一途だし、爽やか。でも男にしては少し大人しい。なんかのマスコットみたいだ。

ユウダイとは真逆って言ってもいいぐらい。

ユウダイとタイシが一緒にいるようになったきっかけは、私。
ユウダイとアヤ、私は中学の頃からずっと仲がいい。特に私とユウダイは家が向かいで、属に言う幼なじみだ。
高校も今の学科もみんなバラバラだけどこの大学にきた。だいぶレベルを下げてまで、ここに来た。ユウダイがいたから。ユウダイは私が必要だから。





タイシとは大学で出会って付き合って、三ヶ月、

まだタイシのこと、好きだって一度も言えていない。
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