Dance in the Mood
「お持ちかえりですか?お召し上がりですか?」

「あ、食べていきます」

少々お待ち下さい、と、全国最大規模のファーストフードチェーン店でお決まりのセリフ。

ポテトを受け取ってトモヤとアヤ、ミナミ、ユウキのいるテーブルに戻る。
全席禁煙って…本当に喫煙者に冷たい世の中になったなぁ。

「江ノ島とかよくない?」

「てか誰の車でいくの?」

「俺、免許持ってねぇし」

「そもそも免許持ってんの誰?」


口々に話す中で、着々とポテトを食べる私に視線があつまる。

「ん?」

「だからぁ、誰が免許持ってんの?」

え?なんであたしに聞く?

「んと…トモヤとタイシじゃない?」

「知ってるって!!」

はい?じゃぁなんで聞いたの?
なんだか一人だけ空気読めない感じ?

「ユウダイのこと聞いてるんだって!!今どういう状況?」

その言葉でやっと意味がわかった。

「いや、あいつはダメだよ、免停とれてない。」

やっぱりなとかまだかぁとか口々に言う。

「お前ユウダイの保護者なんだからちゃんと交通ルールも教育しなきゃダメぢゃん」

「…って、あたし保護者じゃねぇし。」


いつもユウダイの世話役だから、ね。
< 4 / 16 >

この作品をシェア

pagetop