run and hide
「いいよ。風呂も洗濯もしてもらったし」
あーあ、靴が気持ち悪ィ~と文句を言いながら、ぐしょぐしょに濡れた靴に足を突っ込んでいた。
私はつったってそれを見る。
雨の贈り物はお終いか。これでまた、元に戻る。
私はため息をついた。
チャンスもモノに出来ませんでした。・・・・あーあ。これからどうしよう。まだ正輝から逃げる?それとも最後の最後と思って告白なんてしてみる?
壁に頭をもたれかけた。
・・・・・出来ない。出来ないっす、私には。
つい、ゴンゴンと頭を打ち付ける。驚いた正輝がのばした大きな手で私の頭をかばった。
「お前何してんの?」
「放っといて」
またもや打ちつけようとすると、こらこらとたしなめられた。
「やめなさいって」
私は正輝を睨んだ。
「私は正輝のバカな友達なのよ。放っといてってば」
すると正輝は大きな手を私の頭からどけて、俯いて呟いた。
「・・・・友達・・・か、どうか、判らなくなってきた・・・」
―――――――何!??
私は目を見開いて固まる。打ち付けた頭の痛みもぶっ飛んだ。