run and hide


「ここここここで何してるの!?」

 大丈夫か、と心配の言葉をかけてくれるのを無視して、私はやつを指差して叫んだ。

 正輝は微笑しながら私を見ていた。

「翔子を起こそうと思って。もう9時だし、そろそろいいかなって」

「9時!?」

 現実的な時間が私の頭を完全に覚醒させた。

 9時って、寝すぎでしょうー!!別にうちの会社タイムカード無いけど遅刻じゃん!!

「寝すぎた~!!」

 情けない声で言ってかけ布団をどける。さっきぶつけた頭をさすりながらベッドを降りようとしたら、前にしゃがむ正輝が邪魔だった。

「・・・・・えーっと。どいてくれない?」

「ん?」

「・・・ん、でなくて。どけってーの」

 すると両手を私の横について身を乗り出し、更に通せんぼをする。

「・・・何よ」

「さっきの続き。聞かせてくれ」

「は?」

 にやりと笑う男を見詰める。

 ・・・・さっきの続き?さっきって、何。起こされて、私・・・・・


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