run and hide
傷つくより、憮然とした。
・・・・・何なんだよ、俺が一体何したっていうんだ。
ただ単に、納得出来ないってだけで意地になった俺はしばらく翔子を追いかけた。
嫌われたのなら仕方ないと思うが、別にそういうわけでもないらしい。
ならば、何故。
そんなきまぐれで俺の生活や精神安定剤を奪わないでくれ。せめて納得できるまでは諦めないぞ、と世間で言うストーカー並の行動までして翔子を追いかけてきた。
ここ一ヶ月ほど。
正直、あまりにも露骨に拒否されるので、途中めげかけたりもしたのだけど、それでも彼女にふられたばかりで友達までなくすなんて、耐えられそうにない。
弱いと笑われたっていい。俺には支えてくれる女友達が必要なんだ。
仕事中は考えなくて済んだからよかったけど、プライベートの時間になるとすぐにどうにかして翔子を捕まえたいと思うようになっている最近だ。
全く・・・・何でこんなことに。
翔子に送ったメールが出戻ってきて、俺は深いため息をついて、公園のベンチに座り込んだ。本日、3回目のメルアドを変更したらしい・・・・。こう回数が多いと、共通の知人に「メルアド消しちゃったから教えて」といって新しいメルアドを教えて貰ってる方法も使えなくなる。
「・・・くそ、何なんだよ・・・」
もういい加減にやめるべきなのかな。
やっぱり男女の友情は成り立たないのかな。
営業鞄が急に重たく感じた。
・・・・俺、しつこいよな・・・。
それは自分でも判ってるんだ、と心の中で呟く。だけど・・・だけど・・・・。