thebeast.
魔法
「お母様?ずっと一緒にいようね!」
「当たり前じゃない。まだミクは5才よ?ずぅっと一緒にいようね。」
……………………………………
「ミク、お前はもう15だ。独立しなさい。」
「お、お父様!お母様!!私まだ、15ですよ?そんなの無理です!!!」
「金はある。まず、自分の城を作れ。」
「な、なんで…そこまで話が進んでるわけ?」
「約束したじゃない?!…ずぅっと一緒にいようって!お母様!!!!」
「そんなことしてません。」
「お母様…」
「いいか?お前は長女だ。本当ならば俺の後を継がなきゃいけない。だが、お前には継げないだろう。もし仮に継いだとしても、そんな国1週間いや1日で滅びてしまう。だから国はお前の次女、ミオに任せることにした。」
「…てことは、私は必要ないってこと?」
「……」
「黙ってないでなんか言って!!」
「そういうことだ。お前はこの国に必要ない。金はやるから早く城を作れ!それで、この国から出て行け。」
「そんな…絶対出ていきません。」
「いいから出てけと言ってるだろ!!!!!!」
そうお父様が言った瞬間、お父様の杖から眩しいくらいの光が出て、私の体へと直撃した。
「う、うう…」
「従わないお前が悪い。今、お前は醜い猛獣になっている。」
「こんな姿で街へ出たら、お前は住民から殺されるだろう。いっそのこと自害すればいい。」
お父様は私にそう言って、鏡を投げて部屋から出て行った。
「う…う…」
なんでこんなことに…私が従わなかったから?私が頼りないから?それとも私が嫌いだったから??
ねぇ、どうして??
私は床にあった鏡に目をやった。
「…………」
私は声を失った。
なんだ、この姿は。
前の私とは一欠片も面影がない。
なんで?なんで?
自分の醜い姿に対しての情けと、お父様たちに対する怒りが一緒になって言葉にならないほど気が狂っていた。
「なんなの?じ、自害…?ありえない。街にいく?もう私には行けない。」
気が狂って怒りがますます込み上げてきた。
「グ…グウァーーーー」
もうダメだ…もうダメだ…
私は火の炎を吐いた。
疲れきったのか、私はその場にたおれこんだ。