何度でもきみに恋をする(ほんとは甘いきみ)






「"一緒に星を見ようね"」

「…え…?」

今、その言葉を発したのは、
───菅綺くん。


「…今、なんて──?」

私が聞き返すと、菅綺くんは照れたように耳をかいた。

「…"一緒に星を見ようね"」

小さな小さな声。

それでも、私には十分聞こえた。


「…やっぱり、菅綺くんはすがきくんだったんだぁ…っ」

思わず涙がこみあげてくる。

菅綺くんは困ったように笑みを浮かべ、

「すぐ気が付けよ」

と。

いつもの意地悪そうな笑顔で、そう言った。





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