何度でもきみに恋をする(ほんとは甘いきみ)
菅綺くんは笑って「さんきゅ」と言ってから
木に目線を送り、
「そろそろ出てきてもらおうか?」
低い声でつぶやいた。
"出てきてもらおうか"?
なにが?
と不思議に思ったのも束の間、
菅綺くんがにらんでいる木ががさがさっと揺れた。
「いや~、付き合うことになって良かった良かった!
俺のおかげだな!」
「まさかここまでうまく行くとは思ってなかったわ。
まあ、おめでとう」
元気な声に、落ち着いた声。
聞き慣れたその声は……