何度でもきみに恋をする(ほんとは甘いきみ)





つ、付き合ってる…

菅綺くんの口からそんな言葉が出て、すごい恥ずかしいです。


「この悩みは女子にしかわかんないわ…
 もう行って!」

紫万は、何かを振り払うように、叫ぶように言った。
珍しいな、紫万は基本あまり取り乱さないのに。


「菅綺、行こうぜ」

菅綺くんは返事はせずに歩き始めた。
「ま、待て菅綺!」と焦っている楓に、笑えてくる。


「亜弥華、笑っている場合じゃないのよ」

紫万は私を見て、はぁとため息をついた。

「あ、そうだ、紫万が取り乱すなんて珍しいね?
 どうしたの?」

私がのんびりとした口調で聞くと、「心配してるあたしがばかみたいよ…」と紫万がつぶやく。

紫万、心配してくれてたのか。
あれ、紫万って心配性だっけ?



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