何度でもきみに恋をする(ほんとは甘いきみ)
放課後、太陽がまだ真上にいる。
そんな時間に下校のはずだったのに…
「なんで私だけ図書室掃除なの!?」
図書室で思いっきり叫んだ。
「あの担任め、なぁんで私だけ掃除させるの…
せめてもう一人一緒にやらせてくれれば私だって掃除が楽しくなるのに…」
図書室の散らかっている本をきれいに並べながら文句を言う。
「あぁ、今日は紫万と遊ぶ予定だったのに…
紫万は、遊べないなら生け花に行くって言うし…」
「お前、けっこう文句言うのな?」
「…え?」
ふいに、右側から心地よいバスの声がした。
驚いて勢いよく顔を右に振る。
「よ。」
「じっ、神宮くん!?」
そこには、もう帰ったはずの神宮くんが本棚にもたれて立っていた。