何度でもきみに恋をする(ほんとは甘いきみ)






なんだろ…?

なんか、胸がざわざわする。

そんなことを考えていると、楓が突如に「そーいえばさ!」と切り出す。


「菅綺って好きな人いねーの?」

「は?」


「確かさぁ、小学校のときに、菅綺好きな子いたよな?

 今は違うかもしれないけど、菅綺モテるし!

 だれかいるっしょ!」

小学校のときに、好きな子がいた。

その事実を知って、なぜだかさっきの胸の痛みより強く、

ずしっと心が重くなった気がした。


自分でもなんでだかわからないけど、

いま菅綺くんに好きな人がいるかなんて聞きたくない。


「それは…」

「私ちょっとトイレ行ってくる!」

私は耐えきれず、そう叫んで教室を走って出た。



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