何度でもきみに恋をする(ほんとは甘いきみ)
「じゃあ、彼氏って?」
「…菅綺の親友よ」
…菅綺くんの親友。
イコール
…楓!?
「かっ、楓!?」
ほっぺを薄く赤く染めて、ぷいと顔を背ける紫万は、恋する乙女の表情だった。
紫万、かわいい!
「へぇ、楓と紫万付き合ってるんだぁ~…」
廊下で菅綺くんと楽しそうにしゃべっている楓を思わず見てしまう。
菅綺くんはポーカーフェイスのままだけど。
「あれ、ねぇ、柑菜ちゃんが天弥華のこと待ってるんじゃなかった?」
「あっ!
ごめん紫万!また明日ね!」
スクバに筆記用具とジャージだけ入れる。
「またね」
「明日、色々聞かせてもらうからねっ!
ばいばいっ」
えっ、という紫万の声が聞こえたけど、急いでるから無視無視。