何度でもきみに恋をする(ほんとは甘いきみ)






こくこくと何度も縦に顔を振る。

するとお姉ちゃんは、穏やかな表情を浮かべて、私の頭にぽん、と手を乗せた。

「うん。

 それで、なにがあったの?」

「あ…」


有無を言わせないお姉ちゃんが怖くて、

さっきのことをお姉ちゃんに話した。


「…菅綺に限ってそんなことないと思うけどなぁ…」



その口ぶりってなんか…

「お姉ちゃん、菅綺くんと面識あるっけ?」

「えぇ? ないわよ。

 でも、ほら、1度だけ会ったことがあるでしょ?」

1度だけ、会ったこと…?

だって菅綺くんはすぐに転校しちゃって…


「1回だけ菅綺がウチに来たじゃない?
 
 "僕、天弥華ちゃんをお嫁さんにするんです!"なんて言っちゃって」

なつかしいなぁ、と瞳を閉じるお姉ちゃん。

…あっ!



< 65 / 141 >

この作品をシェア

pagetop