何度でもきみに恋をする(ほんとは甘いきみ)
「とぼけんなって~!
初恋の亜弥華ちゃんと、同じクラスにいる亜弥華。
やっぱ、同一人物なんでしょうか!?
菅綺さん、お答えをどうぞ!」
右手をマイク風にグーにして、
はしゃいだように俺の顎に当てる楓。
ばかで記憶力悪いくせに、こういうときだけいい頭脳をしやがる。
「…知らね」
「……"知らね"?
え、だって、え、まさか確認もしてないとか…?」
「そうだけど」
俺はそう言ってから本に目を移した。
「な、え、ま、はぁ?」
まぬけな声がした気がするが、無視を決め込む。